あるところに、とても物知りの若者がいた。ある男が彼に質問した。
「なあ、悪魔を呼び出せば3つの願いをかなえてくれるんだろう?」
「そうらしいな」
「もしあんたが悪魔を呼んだら、どんな願い事をする?」
「そうだな、一つ目は『俺が健康なうちに残り二つのの願いをかなえてくれ』だ」
「なるほど、考えたな。じゃあ二つ目は?」
「俺が若いうちに最後の願いをかなえてくれ、だよ」
「え?じゃあ三つ目の願いは何なんだ」
「それがなあ・・・実はまだ決めていないんだよ」
そのとき、どこからともなく恐ろしげな声が聞こえてきた。
『早く最後の願いを言ってくれ!いったい何百年待たせたら気が済むんだ!』
【解説】
一つ目と二つ目の願いを合わせると「健康で若いうちに願いをかなえてくれ」となる。
つまり、最後の願いがかなうまでは「病気にもならず、若いまま」なのである。
そして、『早く最後の願いを言ってくれ!いったい何百年待たせたら気が済むんだ!』から、若者は何百年と生きているのだろう。
だから、物知りなのかもしれない。
こういう話ではよく「命のかかわる願い」はできなかったりする。
例えば、この話のような「不老不死」や、他には「蘇り(死者蘇生)」、「病気の治癒」などである。
しかし、こういう風に揚げ足を取れば、そういった願いもかなうのだろうか?