【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】新米消防士

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俺は新米消防士だ。

 

最近は不審火による火事が多く、
俺みたいな新米もすぐに現場に駆り出される。

 

今日は非番だというのに
昼間っからデパートが火事だという。

 

火事のあっているデパートは
鉄筋の7階建てという大きなものだ。

 

現場では逃げ遅れた人々が
高層階の窓際に幾重にもひしめき合って救援をもとめており、
なんともいたたまれない気分になる。

 

出火元は2階の布団売り場のようで、
既に上の階にも火の手が回っていて近寄れない。

 

俺は懸命に消火活動を試みたが、
炎は水を吸ったように上へ上へ伸びて行くだけ。

 

かといって窓に分厚い強化ガラスが貼られている為、
窓を簡単に割ることもできない。

 

結局、俺の奮闘の甲斐もなく、
2階から上は全焼。

 

そして誰も助からなかった。

 

こんな経験は初めてでショックを受けたが、
誰も慰めてはくれなかった。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺みたいな新米もすぐに現場に駆り出される』

とは書かれているが、

非番であるこの日に

「消防士として出勤させられた」

とは書かれていない。

 

つまり、語り手は

デパートに買い物に来ていたところで

たまたま火事に巻き込まれた。

 

『俺は懸命に消火活動を試みたが』
非番であったため、

装備などは持ち合わせていなかった語り手。

 

使えるものとしてはせいぜい消化器くらいだろうか?

 

結局火を消すことができず、

『誰も助からなかった』

 

つまり、語り手も火事に巻き込まれて死んでしまった。

 

『こんな経験は初めてでショックを受けたが、
誰も慰めてはくれなかった。』

死んでしまう経験は当然初めてだろうし、

死んだ人間を慰めることなど誰にもできない。