どうもあいつに女ができたらしい。
彼女いない仲間だっただけになんか悔しい。
あいつは昔から嘘が付けない男なんで、
しつこく問い詰めれば真実がわかる。
どうやら本当みたいだった。
それなら是非紹介してくれと頼むと
「体だけの女だし、見る価値ないぞ」
そう言って断られた。
つい最近まで経験なかったやつが言う言葉かよ。
ムカついた俺はこっそりヤツの女を見に行こうと考えた。
連絡もせずにアパートに押しかけ、玄関まで到達。
ちょうど台所の窓が少し開いていたので
中を覗いてみた。
すると台所の奥にある居間に女が全裸で転がっていた。
(あいつ、やっぱ嘘つけん男だな)
そう感心しながら走って逃げた。
【解説】
『体だけの女』
『走って逃げた』
ということから、
普通の女性ではなかった。
女性はすでに死んでいる死体だったと考えられる。
もしかしたら手足などのない
本当に体だけだったのかもしれない…
どちらにせよ、
友人は恐ろしい価値観を持っていると言えそうである…