俺「あのさ、先月近所で連続幼児殺人事件があったじゃん」
A「いきなり何だよ」
俺「いや、ちょっと最近プロファイリングかじっててさ。
雑誌とかテレビの情報から、俺なりに推測してみたんだよ」
A「へー」
俺「でさあ、犯人像なんだけど身長は170cmくらいの小柄で痩せ型。
多分男で父親が暴力を振るう家庭で育ってる。
性格は温厚でクラシックを好む奴だと思う」
A「よく解ったな。すげえ」
俺「いや、本当かどうかは分かんねーよ?って
なんか俺、中二病みたいだなw」
【解説】
A『いきなり何だよ』
という言葉から不自然な振りだったのだろう。
そして、内容は推論を行うプロファイリング。
その言葉に思わず、
A『よく解ったな。すげえ』
と言っている。
しかし、『俺』も言っている通り、
本当かどうかなんてわからない。
あくまで分析から出てきたものなのだから。
いきなり話を振られて、
プロファイリングをかじったばかりの『俺』に対しての反応は、
『へ~、そういうことまでわかるんだ』
『どういう内容からそういう推論したの?』
など、推論内容よりも『プロファイリング』に
興味が行くものだと思う。
(プロファイリングをあまり知らない場合だが)
プロファイリングを知っていたとしたら、
『身長は犯行内容から推測?』
などと色々と話題を広げるのではないだろうか。
と考えると、やはりAがいきなり
『よく解ったな。すげえ』
ということは不自然である。
そのため、Aが犯人である可能性が高い。
そして、仮にAが犯人だとしたら、
『俺』が自首させようとしているのかもしれない。
いきなり事件の話や
『プロファイリングをかじった』
なんて言うのも不自然であるし、
プロファイリングを行った後
『なんか俺、中二病みたいだなw』
と言っているのも不自然である。
『中二病』という言葉を使っていることから、
プロファイリング自体をそのように見ているのではないだろうか?
と、考えるとプロファイリングを行ったのではなく、
Aが犯人であったとなんとなく理解したからこそ、
犯人像をAに当てはめて言ったのではないかと推測できる。
俺『いや、本当かどうかは分かんねーよ?って
なんか俺、中二病みたいだなw』
この言葉も実際にAが犯人だと悟ったからこそ、
適当に言ってしまったようにも見える。
もしかしたら、Aを犯人と知ったことで、
殺されてしまうという恐怖に駆られてごまかしたのかもしれない。
実際にどのようになるかはわからないが、
友人の影に怯えながら生きる日々を想像すると
非常に怖く、生きている心地はしないと思う…。