今日はあの子とデートだ!
気合いいれてくぞぉ!
服もアイロンかけたし、
ハゲるかと思うほどシャンプーもした。
よしあとは髪をセットして準備万端だ。
うちの洗面台には立派な三面鏡がついている。
これを駆使すれば死角などないのだ!
三面鏡を駆使しつつ、左の側の鏡をみた瞬間、
一瞬だが確かに何かこの世のモノとは思えない何かが写った…
俺は思わず右に振り向いたが、
あるのは積み重なった洗濯物と洗濯機だけ。
他にといっても壁しかなく、
もちろん人がいるわけもない。
入り口は俺の左側だしなぁ。
気のせいか…
【解説】
語り手は
「三面鏡を駆使すれば死角などない」
と言っている。
死角をなくすためには、
左側の鏡には右側の鏡が、
右側の鏡には左側の鏡が映るようになる。
つまり、左の入り口に
この世のモノとは思えない何かが右側の鏡に写り、
その像が左側の鏡に映った。
そのため、いたのは左側の入り口の方である。
映ったのが一瞬であれば、
振り返ってももういないのかもしれないが、
まだいるとしたら…