【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】壁の穴

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『残念ですが、この症状は千人に一人の奇病です。
回復される見込みは申し訳ありませんが、ありません。
コンタクトをされるか、
眼帯をされる方が宜しいかと思います。』

 

そうですか……
ありがとうございました。

 


病院を後にした私は、
とぼとぼと家路へ戻った。

 


異変に気付いたのは最近のことだった。

 

鏡を見る度に赤みを増す右目。

 

赤みは増すが、
これといった痛みも、
視力に違和感も無かった。

 

あまりの出来事に私は恐怖を覚え、
医者に診てもらったということだ。

 

はぁ、気が重い…。

 

まさか治らない奇病になってしまったとは。

 

取り敢えず、眼帯をして右目は隠しているが、
いつまでも眼帯をしていたら周囲から不審がられるだろう。

 

そんなことを考えていると
自宅のアパートにたどり着いた。

 

鍵をあけ、室内に入り、
ソファーに座りボーっとしていた。

 


夜7時頃、隣の住人が帰宅したようだ。

 

この部屋の壁には穴が開いていて、
隣の部屋を見ることが出来る。

 

穴が開いている時点で欠陥だが、
大家さんに言うのも面倒なので、
いつもはカレンダーをかけて穴を隠している。

 


いつからだろう、
好奇心から穴を覗いてみた所、
隣の住人に一目惚れしてしまい、
それ以来、欲望を抑えることも出来ずに
ちょくちょく穴から覗き見をしていた。

 

いつもの様に覗きをしていると、
隣の住人が穴の方へ向かってきた。

 

こんなことは初めてだ。

 

私はその場を動くことが出来ず、
ただ隣の住人の動向を見続けることしか出来なかった。

 

隣の住人と薄い壁を隔てて目が合う。

 

心臓の鼓動が早い。

 

食い入るように、
覗いていると隣の住人の目が離れ、
次の瞬間、何か尖った物が目に突き刺さる…。

 

しかし、ここで動いたら怪しまれる。

 

私は痛みに耐え、その場を動かず、
隣の住人の気配が無くなるまでそこにいた。

 

隣の住人が壁から離れた気配を感じ取ると、
私は壁から離れ、
手探りでカレンダーを元に戻した。

 

鏡を見ると左目も真ん中だけ黒くなり、
周りは赤みがかっていた…。

 

ただ、今回は痛みも視力に異常も感じられる…。

 

左側だけ真っ暗…。

 


左目。

 

左目……

 

私の左目…

 

私の左目…返して…。

 

…ねぇ、これを読んでるあなた…。

 

あなたの左目を、私にちょうだい……。

 


今日も壁の穴、
壁の隙間からあなたを見ているわ…。

 

あなたが左目で覗きに来てくれるその日まで…。

 

ふふ

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有名なお話の別視点バージョン。

imikowa.com

 

 

『尖った物が目に突き刺さる』

なんて表現で背筋がゾッとしてしまう…。

 

というか、この話、普通に怖いわ!!