【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】祖母の最後の言葉

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最近、祖母の死に目を看取った。

 

もう随分年をとっていたのだが、
これがまた漫画に出てくるようなひどい意地悪婆さんで、
突然勝手に家に住むと言い出し、
特に父とは仲が悪く毎日言い争っていたみたいだ。

 

俺は早くに実家を出て東京で暮らしていたので、
あまり詳しい事は知らないのだが。

 

これだけ執念深い性格なら
さぞ長生きするだろうと父はぼやいていたが、
突然容態が悪くなり、
長い期間入院する事になった。

 

祖母が入院した病院は
実家から遠く離れた場所にある有名な病院だったのだが
医者も手の打ち様が無く、親戚を集めて話し合った結果、
安楽死させてあげようという結論に至った。

 

最後の日、
病室のベッドに力無く横たわる祖母の姿からは
意地悪な事ばかりしていたかつての元気は欠片も無かった。

 

祖母が息を引き取る寸前、
何か言おうとしたので
父が顔を近づけて、
最後の言葉を聞こうとした。

 

声はほとんど出ていなかったが、
微かに聞こえた音と口の動きから

 

「秀一、遠いとこ来てくれて……行って……さようなら」

 

と言ってたのだろうと父は言っていた。
(秀一は父の名前)

 

「行って」

 

と言ったのは、一番嫌っていた父に、
自分の死ぬとこなど見られたくなかったのだろう。

 

しかし、そんな一番嫌っていた父を最後に労い、
ほんとは心の清らかな人だったんだと親戚はみんな泣いていた。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

父は祖母の最後の言葉を

『微かに聞こえた音と口の動き』

から判断している。

 

なので、父の解釈が合っているとは限らない。

 

『微かに聞こえた音と口の動き』から

母音は合っているのだろう。

 

そこから考えてみると、

 

秀一、遠いとこ来てくれて……行って……さようなら

 ↓

しゅういち、とおいとこきてくれて……いって……さようなら

 ↓

うういい、おおいおおいえうええ……いっえ……あおうああ

 ↓

くるしい、のろいころしてつれて……いって……やろうかな

 ↓

苦しい、呪い殺して連れて……行って……やろうかな

 

 

最後の言葉は父を労う言葉とは全く真逆の

父を呪う言葉だった。

 

知らぬが仏…