俺の家は住宅街にあり
駅までかなりの距離があるので
急ぎの用がある場合はよくタクシーを呼んでいた。
今日も例によってタクシーを呼んでいた。
俺「〇〇駅まで」
運転手「へい。いや~お客さん今日も暑いですねえ」
俺「そうっすね」
運転手「まあこんな暑い日にはやっぱり怪談話が一番ってね、
私が体験している怖~い話でもしましょうかね」
俺「何ですか?怖い体験って?」
運転手「よく怖い話であるでしょう、
幽霊を乗せちゃうってやつ」
俺「はぁ」
運転手「いや~あれって結構実話でね、
私も何回か乗せたことあるんですよ。
あいつらいつもタダ乗りだから
ほんと困るんだよね~」
俺「怖く無いんですか?」
運転手「初めのうちはね。
でももう慣れちゃって。
今日もねお客さんを乗せるまで乗ってたんですよ」
俺は一気に血の気がひいた。
【解説】
語り手の家付近で幽霊が降りた。
語り手の家に用があるとしたら、
語り手が帰ったら何が起こるだろうか…?
ただの怖がらせるための話だったら良いけれど、
一度こんな話をされたら
「冗談ですよ!」
なんて言われても気にしてしまう…。