女はストーカーに悩まされていた。
仕事から帰ると
毎日部屋にあるものがひとつずつなくなっていた。
三日前はバッグ、
二日前はコート、
昨日は帽子…
いつもお風呂に入ってる間になくなってる。
今日こそはストーカーを見つけてやる。
女は部屋を見通せる位置にビデオカメラを置いて
スイッチをオンにしてお風呂に入った。
風呂から上がって部屋の様子を見たがなにも取られてなかった。
ビデオを見て確認しようと思いビデオを巻き戻して見てみた。
でもそこにはなにも写っていなかった。
「今日はなにもなかった…」
安心した女は
なにげなくもう一度ビデオを見てある事に気がついた。
「あっ…時計が動いてない…」
と、その瞬間首元に圧力を感じ意識が遠のいた…
【解説】
ビデオの前に同じ角度からの写真を置いたから、
時計は動いていなかった。
そして、最後にとられたものは語り手の命だった。