只今、俺は高度3000m上空のヘリの中にいる。
今日は待ちに待ったスカイダイビング初体験。
先日、友人がスカイダイビングについて熱く語っていて、
一度やってみたいと思い、チャレンジすることにしたのだ。
ヘリに乗り込む前に、
インストラクターが安全確認の最終チェックをしているみたいだ。
全部任せてあるから問題無いぜ。
心配になったのか、
友人が駆け付けてくれた。
友人『楽しんでいってこい。
パニックになったら、
何も考えずに着地することだけ考えろよ』
そう言うと、
友人は俺にハグをしてきた。
欧米かっ!!
ヘリは2000、3000mと高度を上げていく。
って、おいおい、
インストラクターの方が俺よりも顔色悪いんですけど(笑)
いよいよ、スカイダイビングをする高さまでヘリが到達したようだ。
風速が半端ない。
『準備はいいですかー』
俺は指だけでオッケーのサインを送った。
ドアからインストラクターを背にして俺達は飛び出した。
バタバタバタバタ
体が何百キロもの早さで降下していく。
うおー、気持ちいー、最高ーー!!
……、そろそろパラシュート広げるんじゃなかったっけ?
おい、………
俺はパニックに陥った
【解説】
「インストラクターの方が俺よりも顔色悪いんですけど(笑)」
とインストラクターは体調が悪く、
語り手と一緒に飛び降りた時に気を失ってしまった。
「……」というのはインストラクターの反応がないということ。
「全部任せてあるから問題無いぜ」
と言っているため、パラシュートの広げ方もわからず、
パニックに陥っている。
全て任せた状態でインストラクターに気を失われたら
正常な判断なんてできそうにない。
とはいえ、目を覚ましたところで
状況を理解するのに時間がかかりそうだから、
語り手がどうにかするしかないのだが…。