ある夜俺は友達のアパートで飲み会をしていた。
夜の二時を過ぎた頃、俺の携帯電話が鳴った。
友人のAからだった。
「悪いんだけどもう少し静かにしてくれない?
俺朝一でバイトあるから寝ないといけないんだ。」
「あ!ごめん、静かにするわ盛り上がっちゃて。」
Aからの苦情を一緒に飲んでいる友人たちに伝え、
声を小さくして話す事にした。
しかし20分後また携帯電話が鳴った。
またAからだった。
「いい加減にしてくれよ、夜中に何やってるの?
台所とか風呂の方から凄い音するよ!」
「…おかしいな、悪い。」
電話を切った。
その時、一緒に飲んでいた友人の一人が俺を見て言った。
「あれ…、Aが住んでるのってお前の部屋の隣じゃなかったっけ?」
【解説】
語り手は
『友達のアパート』で飲み会をしていたが、
友人Aと電話で話した時は、
自分の家で飲み会をしていると勘違いしたのだろう。
おそらく自分の家でも何度か飲み会をしていて、
同じように電話されることが何度かあったために、
勘違いをしたのだと思われる。
しかし、実際は友達のアパートの家であるため、
今語り手の家には誰もいないはず。
にも関わらず、台所やお風呂で凄い音がしている。
泥棒となると、
台所やお風呂に行く理由はないし、
そもそも音を立てて盗みを働こうとはしないだろう。
では、幽霊か?
となっても、誰もいない部屋で暴れている幽霊を想像すると
なんだか寂しくなってしまうので、
違うということにしておきたい。
(友人Aを怖がらせるためかもしれないが)
となると、ストーカーや語り手を憎んでいる人の犯行か?
凄い音、となると色々と破壊しているのかもしれない。
となると、憎んでいる人の犯行となるし、
語り手がいない時を見計らってとなると、
近しい存在なのかもしれない。
台所とかお風呂の方からすごい音とか、
何かをバラしているしている音…だったら嫌ですな。
帰ったら辺り一面が血まみれで何かの死体があったら…
トラウマになること間違いなし。