とある怖いサイトに掲載されていた話を、暇潰しに読むことにしてみた。
『はじめまして。ぼくは、はじめ。きょうはあなたにはなしておきたいことがあってやってきたんだ。さいしょにいっておくけど、よまないほうがいいよ。まず、ぼくはここにいて、ここにいない。なんでいるのにいないのかって?ふふ、わかった、おしえてあげる。かんじがつかえないからぜんぶひらがなになるけど、いちどしかはなさないからね。ぼくはここにいたときはしょうがくいちねんせいだったんだ。おかあさん、おとうさんはいたよ。ぼくはさんにんかぞくだったんだ。しょうがくせいになってから、おとうさんはいなくなった。かわりに、あたらしいおとうさんがやってきた。おかあさんがすきになったひとだから、ぼくはおとうさんってよんだんだ。でも、あたらしいおとうさんは、いつもぼくをおこってはたたいたり、あしでけったりしたんだ。やさしかったおかあさんにたすけてっていったけど、おかあさんはなにもいわないでてれびばっかりみてたよ。あたらしいおとうさんがおこることがおおくなった。ぶたれたり、なぐられたり、けられたり。ぼくはそんなまいにちにたえられなかったんだ。だから、あのひ、おかあさんとあたらしいおとうさんがいないひに、ここからいなくなることにしたんだ。いえからでて、ふみきりまであるいたんだよ。でんしゃがくるのがみえたから、ふみきりのなかにはいったんだ。いたみはかんじなかったよ。さいごにみたのは、ぼくのからだからきりはなされたうでとあしだった。おかあさんとあたらしいおとうさんは、ないてくれなかった。だから、ないてくれるようにしたんだ。あたらしいおとうさんにはなみだがながれないめなんていらないとおもったから、ふたつあるめをつぶしてあげた。わーわーないてた。おかあさん、かってにからだかりてごめんね。でも、あたらしいおとうさんのめをつぶしたかんしょくは、りょうてのおやゆびにのこってたでしょ?そのあとほうちょうにぎらせて、あたらしいおとうさんをささせてごめんね。だから、おかあさんのかおもほうちょうでさしてあげたんだよ。じぶんでじぶんのかおにほうちょうをさしたかんしょくはどうだった?ほうちょうがかおにちかづくにつれてわーわーないてたね。いたかった?なみだはでた?なみだ、でてなかったよ。なんでないてくれないの?なんで?これよんでも、どうせないてないんでしょ?しんじゃえばいいんだ。そうだ、いいことおしえてあげる。ぼく、あなたのことがきらいなんだ。だから、あなたにしんでほしいんだ。』だから、よまないほうがいいっていったんだ。このおはなしをよんだあなたは………。よんでくれてありがとう。じゃあね。
持っていた携帯電話が床に落ちた
ふふ
【解説】
語り手は漢字が使えず、
全てひらがなで書かれた子供の話を読んでいる。
話のとおりだと、
新しいお父さんに虐待され、
母親はそのことに無関心。
泣いて欲しいからと
踏切で飛び込み自殺をしたけれど、
死んだにも関わらず泣いてくれなかったから
お母さんの体を使って
新しいお父さんとお母さんを包丁で刺した。
そして、
この話を読んで泣けない読み手をも殺そうとしている。
最後の方だと
『』が閉じた後も
子供の話が続いている。
『だから、よまないほうがいいっていったんだ。このおはなしをよんだあなたは………。よんでくれてありがとう。じゃあね』
という部分である。
『よんでくれてありがとう』
は
「呼んでくれてありがとう」
ということ。
サイトを開き、
この話を読むことで
この子供が出てくるようになっていた。
携帯電話から子供が出てきて、
「しんでほしい」と思っている子供(の幽霊?)
語り手はその子供の望み通りに
死んで(殺されて)しまった。