とあるカップルが夜中、
山奥にドライブへ行った。
しかし、ある些細な事で、
カップルは喧嘩をしてしまった。
女「…!もういいっ!」
彼女はそう言うと、
車から飛び出し、
暗い夜道を走って行ってしまった。
男「あ~…!なにやってんだよ…。
まぁ、いいか。あとちょっとしたら迎えに行くか…」
そして、5分程経ち、
ようやく頭の冷えてきた男は、
彼女を探しに車を走らせた。
山は一本道で、
すぐに彼女を見つける事ができた。
彼女は誰かと話している様だった。
女「あっ!彼氏が来たから、私ももう帰ります!」
ありがとうございました、と、
彼女はさっきまで話していたらしいおじいさんに手を振った。
するとおじいさんも、
彼女に向けて、手を振った。
手の甲を向けて。
その瞬間、
彼氏はとっさに彼女を車内へ連れ込み、
車を走らせた。
彼女が、
「どうしたの?」
と聞く。
彼氏はこう説明し始めた。
「いいか?
死んでいる人間は、普通に拍手ができないんだ。
手の甲と甲を合わせてでしか、できないんだ。
それを逆手拍手って言ってな?
その他にも、死んだ人間は
こちらに手の平を向けて手を振る事ができなくって、
手の甲をこっちに向けてしか、手を振れないんだ…
つまり、あのおじいさんは、もう、死んでいるんだ…」
一通り説明を終え、
彼女を見ると、
「へー!すごーい!!」
と言いながら、
手の甲と甲を叩き合わせていた。
【解説】
逆手拍手をしていることから
彼女もすでに死んでいる。
…って逆手拍手だけで判断していいのか?
と思ったりもするが。
たった5分の間に何があったのか…
もしかしたらこの話を聞いて機転を効かせた
彼女の悪戯だったかもしれない。
ただし…そんな機転を効かせてしまったら
彼氏は激怒してまた喧嘩してしまうだろうが。
逆手拍手の話をした後に彼女が
『へー!すごーい!!』
と言っている。
これが
「へー、死んでいるってよくわかったね。
なら私が死んでいることもわかるよね?」
という意味での言葉であり、
逆手拍手だったら少しゾッとする。