僕は操り人形
見えない糸で繋がれてる
僕は操り人形
作り出された瞬間から
使用方法を決められた
僕は操り人形
感情なんか持ち合わせていない
僕は操り人形
ある時ふと考えた
僕は操り人形
この糸はどこに繋がっているんだろう?
僕は操り人形
答えは簡単だった
僕は操り人形
僕は自由になった
僕は単なる人形
なんて気持ちがいいんだ
僕は……
これが僕の造られた意味
僕は僕
これからは、僕が僕として生きていける道を歩んでいく
【解説】
このお話の『操り人形』というのは、
生まれたときから自分の感情を捨てて
両親に敷かれたレールの上を歩いてきた子供のこと。
しかし、成長してきたことに酔って
自分についている見えない糸で操っている者が邪魔になった。
そこで語り手は糸の先、
自分を操っている両親を殺して自由を手に入れた。
両親を殺して自由になったことで、
自分という存在を認識した。
自分という存在を認識したことが気持ちよく、
今まで感情を捨ててきた語り手にとっては
その感情が忘れられない。
そのため、その感情が芽生えた「人殺し」こそが
自分の生まれた意味だと勘違いし、
これからもその感情を手に入れるために
人を殺していくこととなる。