【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】インターホン

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「お姉ちゃん…」

 

言いながら私は、
祈るように指を組んだ。

 

姉が昨日から帰って来ない、
と私が知ったのは、
友人宅から帰った今朝のことだった。

 

内向的で出不精で、
いまだに出かける際には
必ず行き先を告げる姉の性格を考えると、
私達家族にとって異常事態だった。

 

昨日は、私は友人宅に、
母は疲れからうたた寝が本格的な睡眠になり、
父は残業で朝帰りとなったため、
姉の不在に気づいたのが今朝になったらしい。

 

だが、年齢が20歳を超えていることがあり、
警察は事件や事故よりも家出と考えていることが
ひしひしと伝わってきた。

 

私だけ一先ず帰ってきたのだが、
落ち着かない。

 

ふと、見上げると、
インターホンの不在時の来客を告げるランプが光っていた。

 

何気なく見ていく。

 

勧誘。
宅配便。
噂好きの近所のおばさん。

 

と、急に暗い背景になった。

 

そのため、
その光景が理解できなかったが、
事態が飲み込めたと同時に、
私は急いで、
まだ警察にいるはずの両親に電話をかけた。

 

だけど、まだ、姉の誘拐事件は解決していない。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語り手である妹が

インターホンを見る前後で

姉が帰って来ない理由が変化している。

 

インターホンを見る前は、

姉の異常事態を感じ取っていたものの、

警察が『事故よりも家出』と考えていることが

ひしひしと伝わっていた。

 

妹としてはそこに違和感があっただろうが、

警察に異常事態を伝える証拠もなかったのだろう。

 

しかし、インターホンを押した後は

はっきりと『誘拐事件』と言っている。

 

つまり、妹がインターホンを見たときに

『急に暗い背景になった』というのは、

「姉が連れ去られる瞬間」だった。

 

姉は不審者に追われながらもどうにか家にたどり着いたが、

家に鍵がかかっていたため、インターホンを鳴らしたものの

唯一在宅していた母が熟睡してしまって気づかず、

インターホンを押した直後に不審者に追いつかれて画面を隠され、

そのまま連れ去られてしまった。

 

 

ただ、そもそも誘拐される前に

姉はどこに出かけたのだろうか…?

 

『内向的で出不精で、
いまだに出かける際には
必ず行き先を告げる姉の性格を考えると、
私達家族にとって異常事態だった』

という言葉から、

いつもは行き先を告げるのに、

今回は告げていないようようだ。

 

一体姉は家族に内緒で

どこに行ったのだろうか…