先生「今日の宿題は、デスノート擬似体験だ。
1人1枚ずつ配った紙に、
自分が殺したいと思う人の名前を10人書いて来てくれ。
一番左に名前、次に殺したい理由、最後に殺し方だ。
これが10人分書けるようになってる。
明日までに書いてくるように。
もちろん、本物のデスノートじゃないから安心しろ。
あっ、無記名でいいからな。」
………
先生「宿題だが、ちゃんと10人分書いてきたものはこっちの○の箱に、
10人まで書けなかったものは×の箱に入れてくれ。
最後のホームルームまでに提出しておくように。」
………
先生「ホームルームを始めます。
みんな真面目に書いてきてくれたお陰で、
ほとんどがこっちの○の箱の中に入ってたが、
1枚だけ×の方に入ってました。
ちょっと、これ読むぞ。
名前が『○山○郎』、
連続強盗殺人犯でこの前逮捕された奴だな。
理由が『惨忍な殺人者だから』。
殺し方が『裁判で死刑になってほしい』。
なるほど。この1人だけだ。
いやっ、実はな、この宿題は、人の命の尊さを考えさせる宿題なんだ。
○の箱の方をざっと見たけど、このクラスの生徒の名前とか、
先生の名前、自分の親や兄弟の名前とかまで書いてる人がいた。
本当に情けない。この×の箱にあった1枚だけが正解です。
これは紹介してもいいな。これ書いた人?」
A子「…はい。」
先生「おお、クラス委員のA子か。さすがだな。
みんなもA子を見習って、正しい生き方をするように。
ただな、A子。
お前、1ヶ所間違いがあったぞ。
右上に書いてた日付。
今日は11月11日じゃないぞ(笑)。」
【解説】
先生が日付と勘違いしたものは
「11/11」で実はページ数である。
つまり、A子は
渡された紙を10部コピーして101人分の名前を書き、
1/11~10/11までの10枚は、○の箱の方に入っている。
ただ、これは先生の方が怖いと思うのだが…
『この×の箱にあった1枚だけが正解です』
と言っているが、
そうなると連続強盗殺人犯であれば殺しても良いということになる。
つまり、デスノートのキラと同じ考え方。
正直これが正解というのはモヤモヤする。
また、無記名で書かせたにも関わらず、
正解だからと紹介するのもいかがなものか。
クラス委員以外は全員○の方に提出していることになり、
『○の箱の方をざっと見たけど、このクラスの生徒の名前とか、
先生の名前、自分の親や兄弟の名前とかまで書いてる人がいた』
という発言から、
「あいつは私の名前を書いたんじゃないか…?」
なんて友達を疑ってしまう可能性もある。
そうなると、
このクラスはバラバラになり、
学級崩壊になりかねないのでは…と思うだが…