姉が亡くなった。
優しい姉だった。
まだ死ぬには早すぎた。
眠っているように見えた。
姉の体を焼く前に最後の対面をした。
静かに胸の前で重ねられた腕に私は優しくキスをした。
それからすぐに姉は焼かれた。
1時間程立っただろうか。
焼かれた姉の全身が出てきた。
姉であって姉でないその姿に私は涙した。
骨壺に入れるのは私が最初だった。
涙を拭きながら私は迷う事なく姉の心臓位置にある骨を取った。
お姉ちゃん。。
大好きだからね
【解説】
『涙を拭きながら私は迷う事なく姉の心臓位置にある骨を取った』
とあるけれど、火葬場で焼くと骨はバラバラになってしまうので、
わかるとしたら頭蓋骨ぐらいではないだろうか。
しかし、語り手は迷うことなく、
心臓位置にある骨を取っている。
となると、心臓位置に何かしらの印があったことになる。
心臓位置の骨に印なんて普通はつけられるはずがないのだが…
もしかしたら姉の死因は
語り手にナイフなどで心臓で刺され、
心臓部分に傷がつき、それを印として
語り手は迷うことなく取ることができたのではないだろうか。
そうなると、
『まだ死ぬには早すぎた』
という言葉から、
語り手は本来は殺す気はなかったはず…
『お姉ちゃん。。
大好きだからね』
という言葉から考えると、
姉が結婚などという話になり、
「自分のものにならないなら殺してしまえ!」
という流れになってしまったのではないだろうか…
ただいくら印がついていたとしても、
バラバラになった骨の状態で
すぐにわかるもの…?
火葬場によってはそこまでバラバラにならないとか、
事件の場合は焼き方が変わるとか、
そういうことがあったりするのだろうか…