神「お前は多くの人を殺して反省していない。
人の命は尊いものだ。お前だって死にたくないだろう?」
男「はあ?俺は死ぬことなんか何とも思っちゃいない。
死にたくないなんて思わないね。」
神「そうか…。しかし、お前にもチャンスをやろう。
お前が命の危機に瀕したときに、
私がこの復活ボタンを目の前に出現させてやろう。
もしお前が死にたくないと思ったら、このボタンを押しなさい。
そうすれば、少し時間を巻き戻してあげよう。」
………
A「おい、いたぞ!こんな廃墟のビルの上まで逃げやがって。
もう逃げ場が無いだろう。」
男「うるせえ!やってやるよ!」
B「こりゃあ、死ね~。」(ブスッ!グサッ!)
男「うっ、くっそぉ~。」(復活ボタンはどこだ?)
C「こりゃあ~、まだまだじゃあ~!」(ブスッ!ブスッブスッ!)
男「うっ!げほっげほっ。」(復活ボタンは?復活ボタンはどこだ?)
D「まだ生きてやがんのか~?そりゃそりゃあ~。」(ブスッ!ブスッブスッ!ブスッ!)
男「がっ…、く…。」(復活ボタンは…、復活ボタンはどこなんだ…)
E「よ~し、ここから下に放り投げようぜ~。せぇ~のぉ~、それっ!!」
男「うぅ…、あぁぁ…。」(あっ、地面に置いてある。このままだと丁度その上に…、助かった…。ポチッ!!)
………
C「こりゃあ~、まだまだじゃあ~!」(ブスッ!ブスッブスッ!)
【解説】
復活ボタンで時間を巻き戻せるのはほんの少しの時間だった。
なので、
C「こりゃあ~、まだまだじゃあ~!」(ブスッ!ブスッブスッ!)
男「うっ!げほっげほっ。」(復活ボタンは?復活ボタンはどこだ?)
D「まだ生きてやがんのか~?そりゃそりゃあ~。」(ブスッ!ブスッブスッ!ブスッ!)
男「がっ…、く…。」(復活ボタンは…、復活ボタンはどこなんだ…)
E「よ~し、ここから下に放り投げようぜ~。せぇ~のぉ~、それっ!!」
男「うぅ…、あぁぁ…。」(あっ、地面に置いてある。このままだと丁度その上に…、助かった…。ポチッ!!)
というやり取りをずっと繰り返すことになる。
結局、刺されたり、突き落とされたり、
死ぬ寸前の苦しみを何度も何度も味わうことになった、
ということだろう。
巻き戻された記憶がないのであれば、
苦しみを何度も味わっているという感覚もないだろう。
そのため、記憶は残っているはずである。
となると、この男ができることは、
いかにして復活ボタンを押さないようにするか、
となるだろう。
なので、全く同じ繰り返しにはならず、
男は試行錯誤して
いかに復活ボタンを押さずに
この繰り返しから逃れられるかを考えて行動することに。
先の話はわからないが、
果たしてこの繰り返しから逃れることはできるのだろうか?