友人は鳩を数羽飼っており
ハトレースに出すつもりなのかさまざまな訓練を施している。
そんな友人には好きな子がいてピンクのカーディガンが似合う女の子なのだが
最近この子がいじめを受けているという。
友人も心配しているのかと思ったが鳩の訓練にいそしむ毎日で俺は友人に
「あの子が心配じゃ無いのか?」と聞くと・・・。
「シンデレラは最後には幸せになれるんだよ」と笑っていた。
数日後12人もの人間が惨劇に見舞われた。
皆、あの子をいじめていた奴らばかりだった。
あまりのおぞましさに目を背けたくなるような状況で
人々は恐怖に捕らわれおびえている・・・・。
犯人はいまだに見つかってはいない。
【解説】
グリム童話のシンデレラでは、
シンデレラをいじめていた姉たちが鳩によって目をえぐられ失明してしまう。
語り手の友人はそのシンデレラの話のようにするために、
訓練鳩を使って女の子をいじめていた12人を襲ったのだろう。
『12人もの人間が惨劇に見舞われた』
とあるが、殺されていた、とは書かれていない。
なので、シンデレラの話と同様に
目だけをえぐったのかもしれない。
『シンデレラは最後には幸せになれるんだよ』
好きな女の子を守るために鳩の訓練をしたのだろうが、
いくらいじめていた人間を襲っても、
好きな女の子自体が幸せになることとは別問題だろう。
それでもこのような惨劇を行ったということは、
狂気が垣間見れてしまう。
好きな子ともし付き合うことができなかったら、
この友人は更なる惨劇を引き起こすのではないだろうか…
とちょっと考えてしまった。