「お飲みものです」
飲み物が置かれる。
俺は旧友の女友達と喫茶店にいた。
友人「もう結婚して娘もいるけど私って恋なんかわかんない子なの。
ずっと前にお医者さんに見てもらったら
恋愛に関する部分が死んでいる遺伝子がほとんどらしいの。
最近知ったんだけど旦那もホモなんだ。」
俺「じゃあなんで結婚しようと思ったんだ?」
友人「やっぱり世の中ね、顔かお金かなのよ。
だから今やいい病だとも思ってるし。
あ、でも彼は寝室まで待つ紳士よ?」
俺「どこも大変なんだなぁ。
で悩み事があるって言ってなかったっけ。」
友人「あぁそうそう、
この前娘を病院に連れていったらお医者さんが
『なんて躾いい子いいケツしてんな』とか言うわけよ。
私は『ロリコン外科医いい加減懲りろ!』って怒鳴って帰ったわ。
怒りを超え子を理解したわ。
でも医者も人間だし性欲くらいあるわよね、
外科医も負う重い影ってやつかしら。
昔はこんな輩の肉体焼いた国もあったみたいだから今は平和ね。」
窓の外に目をやる。
たった今鳩は舞い立ったようだ。
平和の象徴を捕まえれば幸せは手に入るのだろうか。
とは言うが本当に捕まえても流石に逃がすさ。
友人「結局愚痴になっちゃった。
最近君はどうなの?」
俺「ちょっと前までは来てもよい頃だろ、来いよモテ期とか思ってたよ。
でも最近好きな子ができてさ。
まぁ、素でキスできん程本気で好きです…
ただ遠距離だからね。
泣いたけど遠いあの子にこの愛を届けたいな。
世界を崩したいなら泣いた雫を活かせってか…
ごめん、よくわかんないこと言ってたあせあせ(飛び散る汗)
ホラ、あれ食えよ、エクレア。
オススメだよ。」
友人「メニュー見ると焼き芋お得と思いきや結構カロリーあるものね、エクレアを頂こうかしら。
ねぇその子ってどこに住んでるの?
あ、待って、当てるわ。
乳飲み子和みの地と言われる千葉! どう?」
俺「話題が千葉?場違いだわ。
北海道だよ。
釧路よりよろしくってメールがたまに来るんだ。
滅多に田舎行かないがいいとこだよ。
って俺の話はいいよ、余談なんだよ。
じゃあそれ食べ終わったら外出るか。」
会計を済ませ外に出る。
まだ恋し仲は遠のきて… 消えた言葉と答え。 汽笛の音は悲しいこだま。
駄目だ、モテ期が来ても駄目だ
いささか些細なことだがなぜかネガティブなことばかり頭に浮かぶ。
そんな俺に比べてこいつは今幸せなのかな。
友人「ロダンっていいところね。」
俺「ロダンてさっきの喫茶店だろ。
あぁ俺も気に入ってるよ。
じゃあ帰ろうか。
送ってくよ。」
友人「待って、娘がいつも留守に何するのか気になるから
抜き打ちで電話してみる。」
ダイアルする間、俺はケータイでニュースを見る。
『孤児のマルクス、車の事故』
気が晴れないニュースだ。
まさかさかさまになるわけでもあるまいが
理想の未来を妄想してみる。
住まいは田舎がいい、森と陽だまりで一寝入り、飛ぶ鳥、稲と日照り、まだ独りも良いが、家内はいます。
だが現実は違う。
あ、雨だあ。私の傘は坂の下。わあ、だめ…ああ…
【解説】
逆から読んでも、同じ言葉になる回文がたくさんある。
計36個。
タイトル→「駄文乱舞だ」
お飲み物→「onomimono」(イレギュラー)
恋なんかわかんない子
死んでいる遺伝子
旦那もホモなんだ
世の中ね、顔かお金かなのよ
今やいい病
寝室まで待つ紳士
なんて躾いい子いいケツしてんな
ロリコン外科医いい加減懲りろ
怒りを超え子を理解
外科医も負う重い影
肉体焼いた国
たった今鳩は舞い立った
流石に逃がすさ
来てもよい頃だろ、来いよモテ期
素でキスできん程本気で好きです
泣いたけど遠いあの子にこの愛を届けたいな
世界を崩したいなら泣いた雫を活かせってか
あれ食えよ、エクレア
焼き芋お得と思いきや
乳飲み子和みの地
話題が千葉?場違いだわ
釧路よりよろしく
田舎行かない
余談なんだよ
まだ恋し仲は遠のきて… 消えた言葉と答え。 汽笛の音は悲しいこだま
駄目だ、モテ期が来ても駄目だ
いささか些細
ロダンてさっきの喫茶店だろ
留守に何する
ダイアルする間
孤児のマルクス、車の事故
まさかさかさま
住まいは田舎がいい 森と陽だまりで一寝入り 飛ぶ鳥 稲と日照り まだ独りも良いが 家内はいます
あ、雨だあ。私の傘は坂の下。わあ、だめ…ああ…
見ているだけでも頭が痛くなりそう…。