俺は土砂降りの中、フード付きの停留所で一人、
最終バスが来るのを待っていた。
程なくしてバスが来ると、雨を避けるように急いで乗り込んだ。
バスの運転手は俺が座るの見届けてから、
ゆっくりとドアを閉めてくれた。
「なんだ、雨宿りか…」
運転手がボソッと呟いた。
【解説】
語り手は
『停留所で一人』
と言っている。
しかし、運転手は
『なんだ、雨宿りか…』
とつぶやいたということは、
運転手には語り手には見えない
もう一人の誰かが見えていた。
なんのためにそのバス停にいたのかはわからないが、
移動しないということは地縛霊なのだろうか。
運転手が見えていたもう一人は性別も何もわからないが、
白いワンピースを着た髪の長い女の人が雨で髪を濡らして、
その場に立ち尽くしていたら正直自分だったら震えが止まらない…。
想像しただけでゾッとしてしまうが…
そういう人は幽霊じゃなくてもいるんだよなぁ…。