今日は待ちに待った約束の日だ。
この日の為に念に念を重ねて下調べしてきたのだ。
計画に狂いはない。
そうこうしている内に彼女がやって来た。うぅむ、緊張してきたw
大丈夫、大丈夫だ・・・。予行練習だってやったんだ。きっと上手くいく!
あーもうそれにしても可愛いなぁ畜生!w
高校の時から思い続けて幾星霜、ようやく叶う日が来るなんてな~!
ビックリするだろうなきっとw
「よし、頑張れ俺!」
そうして自分に渇を入れ、右手に光るモノを握りしめて彼女の元に向かった。
【解説】
『右手に光るモノを握りしめて彼女の元に向かった』
右手に光るモノ。
指輪だと連想したいところだが、
指輪を渡すのであれば、
きちんと箱などに入れて渡すだろう。
まさか、そのまま素のままで渡すとは考えられない。
もしかしたら、スッと左手の薬指に
語り手がつけようとしているのかもしれないが、
そんなことをしたら百年の恋も冷めかねない。
やはりプロポーズであれば、
相手の反応を見るのが礼儀であろう。
結婚することが前提の話であれば、
また別なのかもしれないが・・・。
また、幾星霜とは、『苦労を経た上での、長い年月』のこと。
となると、苦労を続けてきた結果、
今に至るはずである。
『高校の時から思い続けて幾星霜、ようやく叶う日が来るなんてな~!』
苦労しながら長い間思い続けてきた結果、
プロポーズをする
とはどうしても考えにくい。
また、『ようやく叶う時が来る』とあるが、
プロポーズであればOKされることが前提。
『ビックリするだろうなきっとw』
から、相手は予測もしていないのだから、
確実にOKされるとは言えない。
ということから、
『右手に光るモノ』というのは、
包丁であり、『彼女』を殺そうとしているのではないか?
と推測される。
念には念を入れた下調べ、
計画は完璧。
綿密な殺人計画なのだろう。
そして、苦汁を飲まされた長い年月から解放されるために、
ようやく叶う(殺せる)日が来た。
好きすぎるからこその犯行と言えるだろうか。
完全に妄想に生きているように思えるが…。
そして、本当に彼女を殺す描写だとしたら、
『予行練習』として、誰かしらを殺しているのかもしれない。
『待ちに待った約束の日』
「10年後に僕のモノにならなかったら僕は君を殺しに行くよ」
とでも言ったのだろうか・・・。
さすがにそれは考えすぎだと思うが・・・。
これらよりも、
語り手が堂々と彼女の薬指に
指輪をはめ込む方が怖いかもしれない。
断りづらい状況にどう対応すれば良いのか・・・
それを考えるだけでも非常に怖いものである。