今日も暑い
俺は換気扇の下で
うちわ仰ぎながら煙草に火をつけた
「一本ちょうだい」
ニコニコしながら俺に言ってきた
今つきあってる彼女だ
でも精神病患ってて
俺も限界が近いから別れようと思ってる
今日はそのために呼んだのに
なんでニコニコしてるんだ?
「一本ちょうだい」
俺は煙草を一本あげた
そしたら彼女
「いらなーい」
って
「なんだよ、どっちだよ」
って言ってやったんだ
そしたら俺の頭指差し
「使うから…一本ちょうだい」
【解説】
彼女が欲しがっているのは髪の毛。
呪いのわら人形に使用するのだろう…
果たしてこの語り手は髪の毛を渡すのだろうか…
渡したとしたら、何かあるごとに
「呪われたんじゃないか…」
なんて悩んでしまいそうである…
私なら絶対に髪の毛は渡さない!
…しかし、渡さなかったら刺されそうな気も…
この状況を想像するだけで恐ろしい…