私は機内アナウンスで目を覚ました。
いつの間にか眠ってしまったようだ。
眼鏡をかけ、飛行機の小さな窓を見ると、もうすっかり暗くなっている。
(あぁ、長い出張もようやく終わる)
幸い、空港と自宅は近い。
既に、私の頭はベッドで眠る事でいっぱいである。
自宅に着くと、私は荷物を放り投げて風呂へ向かった。
おざなりにシャワーを浴びつつ、疲れを癒す。
独り暮らしであっても、やはり家は良い。
風呂から上がった時には、凄まじい眠気で辺りが歪んで見えた。
私は自分を叱りつつ、コンタクトレンズを取り出しにかかる。
何時間のフライトだったか……、寝てしまったせいで、なかなかレンズが取れない。
(今度からは外してから眠らなくては)
ペリペリ、と音がしそうだ。
ようやく外した後も、まだ両目は痛んだ。
目薬はどこだったか……
【解説】
『眼鏡をかけ、飛行機の小さな窓を見る』
からすでにコンタクトレンズを外していることがわかる。
飛行機の中では外していて、
後々またつけたのかもしれないが、
『私は機内アナウンスで目を覚ました』
は、着陸のアナウンス。
『何時間のフライトだったか』
という言葉から、
飛行機の中でずっとコンタクトレンズを
外していたと『思い込んでいる』ことがわかる。
(途中でつけてなどいない)
にも関わらず、無理やり『何か』を
ペリペリと剥がした。
眼球となれば、角膜だろうか…?
それにしても、コンタクトレンズをつけたまま寝るということは
よくあることだと思う。
だからこそ、『つけて寝る』ことが
むしろ普通になってしまって、
コンタクトレンズをつけていない状態でも、
『つけている』と間違ってしまうこともあるだろう。
私はコンタクトレンズをつけていないからわからないが、
鏡を見たらコンタクトレンズをつけているかどうかというのは
わかるのだろうか?
正直私にはコンタクトレンズをつけているかどうかは、
見分けがつかないのだが…。
そんな私だったらもしかしたら
似たようなことが起こり得るかもしれない。
(さすがに角膜を剥がさなくても、
別の何かを傷つける可能性も)
極力視力は落とさないようにしようと思う
今日この頃である。