お兄ちゃんが『見たら絶対に家族が死ぬビデオ』を一緒にみようといってきた。
僕は家族が死ぬのがいやだったので断りました。
お兄ちゃんは『もうお前しか残ってないから大丈夫だよ』といいました。
僕は安心してみました。
【解説】
『もうお前しか残ってないから大丈夫だよ』
つまりもう家族は全員死んでいる。
当然兄も・・・。
語り手は兄の幽霊に驚かずに普通に会話しているということは、
兄が死んだことはまだ理解していないのかもしれない。
文章からしても少し幼さが残っているようにも感じる。
『大丈夫』と言われたら、それを信じ込んでしまう、
純粋無垢な年齢なのではないだろうか。
しかし・・・ここで兄が『一緒にみよう』ということは、
幽霊が見ても『家族が死ぬ』ことは適用されるのかもしれない。
弟と自分と同じ世界へ連れて行きたい、
だからこそ『一緒にみることを試みている』ように思える。
なので、この後の語り手はもしかしたら・・・。
それにしても、『○○のビデオ』などと
怖いビデオとして結構あったりするが、
今ではビデオデッキで見る人はあまりいないはず。
ゲーム機を全て『ファミコン』と言う人がいるが、
それと同じで保存された映像媒体はどうしても『ビデオ』と
言ってしまっているのだろう。
とはいえ、ビデオ以外のDVDやブルーレイで
『呪い』などといった映像は存在しているのだろうか?
よく『呪いのビデオ』なんていうのを
夏に放送されているが、
あれの映像媒体が気になるところである。