【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】不思議な絵

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彼女は悩んでいた。

 

画家である彼がスランプになってしまってるからだ。

 

そもそも彼の技術は既にプロと言っても過言ではない。

 

賞も貰っている。

 

ただ、彼自身が認めず、結果煮詰まってしまった。

 

ある日、気分転換と勉強になるからと彼女は彼に旅行を勧めた。

 

すぐに支度をし一人で旅に出た彼は、色々な地方を回った。

 

時々彼女から電話をすると知らない女性の声がした時もあり、
何回か修羅場にもなったが
数ヵ月経ち、帰ってきた彼は彼女に心配をさせたお詫びと、
それ以上にお礼にと絵を描き、プレゼントした。

 

それは夕焼けを背景に彼女を中心に据えたものだった。

 

モナリザ、と言えば分かりやすいだろうか?

 

構成は似ている。

 

景色や人物が違うだけで。

 

しかし、それは不思議な魅力を持ち、
夕焼けは引き込まれるようで、
それでいて彼女を引き立てていた。

 

彼も久々に満足したようだった。

 

その後、様々な絵を描いたがどれも大きく評価され、
彼自身もスランプはすっかり脱した。

 

時には不思議な魅力を放つ絵を描き上げ、
更に脚光を浴びていった。

 


程なく彼と彼女は結婚。

 

土地こそ広く木に囲まれていたが、
普通の一軒家と、小さなアトリエだけ建てた。

 

ただ、彼が集中したいからとアトリエは防音、窓無しで、
全くアトリエには見えなかったが。

 

くわえてアトリエには彼女も入らせては貰えなかった。

 

徹夜をするような時でもだ。

 

しかし、徹夜をした後は必ず不思議な魅力の絵を描き、
頻度も少ないため彼女は心配しなかった。

 

むしろ、急に数日旅に出る上に、
その旅先で女性を口説いてるらしい、
という噂の方が心配だった。

 

ある日、彼女は彼が外出中に無断でアトリエに入る。

 

中は外見よりも更に狭く小さく感じた。

 

その上、散らかっており、
壁のカレンダーも二年前の物だ。

 

掃除をすると怒らせてしまいそうだと思い、
せめてカレンダーだけでも変えようと剥がした。

 

しかし、カレンダーの裏には穴が空いていた。

 

彼女は覗き込み…絶句した。

 

白骨がいくつも、だ。

 

そしてある事実に気付いた。

 

彼の描く絵にはある色が多い、と。

 

しかし、そこで何者かに殴られ気を失った

 

 

後日、彼女は失踪したとして事件になった。

 

全く手掛かりが無く、彼も酷く落ち込んだ。

 

しかし一年後に一枚の絵を描いた。

 

それを見ながら、彼は涙ながらに言う。

 

「綺麗な…綺麗な色でしょ?
これが、人生最高の、絵です…
彼女に捧げるための…」

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

スランプだった彼は

人の血を使って絵を書くようになった。

 

旅先で女性を口説いていたのは

その女性を殺して

その血を使うため。

 

殺された女性は

白骨化した状態で

カレンダーの裏に隠されていた。

 

そして、彼は

語り手の彼女にバレてしまったため、

彼女を殺し、その血を使って

人生最高の絵を描きあげた。

 

 

彼は語り手である彼女を殺し、

どんな想いで泣いていたのだろうか…