料理なんてしたことがなく、
ご飯はいつもコンビニ弁当ですませていた私が、
小さなアルミの小鍋を買った。
娘が小学校に入り、余裕が出来たのだ。
これから少しずつ料理を学んでいこうと思う。
『おかーさん、お手伝い』
が娘の口癖で、
洗濯物や掃除などたくさんの手伝いをしてくれる。
本当、誰に似たんだろう。
一度、娘がアイロンで火傷をしたことがあった。
そのときも娘は落ち着いて水で冷やし、
むしろ私の方が取り乱してしまったくらいだった。
娘はもう、
私なんかよりもずっと家事がうまくなっていた。
娘は、ホットミルクが大好きだ。
学校から帰ってきた娘を
私はささやかなお礼の気持ちとともにホットミルクで出迎える。
娘の幸せそうな笑顔をみるたび、
私も幸せな気持ちになった。
今日は学校で保護者会というのがある日だ。
だから、今日は娘を出迎えてあげられない。
私は買ったばかりの小鍋に牛乳を入れると、
『あたためてのんでね』のメモとともに
リビングの机へおいておいた。
しっかりものの娘のことだ。
きっと大丈夫。
うちのキッチンはオール電化だから
火事の心配もない。
熱いものの取り扱いにも十分なれている。
万が一火傷するようなことがあっても、
自分で対処出来るだろう。
私は保護者会へと出掛けた。
【解説】
娘は小鍋をレンジに入れて温めたため、
アルミがバチバチいって爆発。
その後に火事になってしまった。
いつも自分がやっていることが当たり前になってしまうし、
アルミをレンジで温めるのは危険なことを知っているから、
娘がレンジで温めるという発想が全くなかったのだろう。
こういったことはよくあること。
気をつけておきたいものである。