～夜～
trrr、trrr、trrr、
「んだよ・・・寝てたのに・・・」
ガチャ
「私、メリーさん今、駅にいるの」
ツーツー・・・
「なんだよ、これ・・・」
最初はちょっと恐怖を感じた。
だが、それを気にもせず眠りにつく。
trrr、trrr、
ガチャ
「私、メリーさん今、コンビニにいるの」
ツーツー・・・
「またか…」
いつの間にか恐怖より
起こされた不快感の方が強かった。
「チッ…マジなんなんだよ…」
それを気にせず眠りに落ちようとする…
trrr、trrr、
ガチャ
「私、メリーさん家の前にいるの…次、絶対出て！」
なにを切羽詰まってるんだ…
そう、思いながら眠りに落ちる。
天井が揺れだし、
夢と現実の境目にいる。
・・・・・trrr、
どこかで携帯が鳴っている。
それは手元で鳴っていた・・・
trrr、trrr、
ガチャ
「あぁ！良かった！
…私、メリーさん今、あなたの後ろにいるの。」
後ろに振り向く気力も無く寝てしまった。
するとどこからか懐かしく暖かい声が聞こえた。
「貴方を逝かせたりしない」
ピッ、ピッ、ピッ・・・
無機質の音に気が付いた。
………目を覚ませば病院に………
右を向いたら親が泣いていた。
僕に気が付いたのか、
思いっきり抱き締められた。
その後、思いっきり叩かれた。
あっ……思い出した……
僕は嫌な事があって
ネットで大量に買った睡眠薬を飲んで
自殺をしようとした。
あっ、思い出した。
あの声……
僕が子供の頃、黒電話が鳴った。
ガチャ
「私…メリーさん…いま後ろにいるの」
後ろを振り返ると
女の子が泣いていた。
なにをどうしたら泣き止むかわからなかったから
取り敢えず
「一緒に遊ぼう？」
手を取り言ってみた。
少女はちょっと困ったような、
嬉しそうな顔をした。
「いいの？」
聞かれたので僕は…
「うん！」
と答えた。
その後、退院し
自殺というバカな行動は一生ないと思う。
えっ？なぜって？
「私、メリーさん」
だって…
「一生、あなたのそばにいるから」
恩人が一緒にいるから……
【解説】
大量の睡眠薬を飲んで
今にも死んでしまいそうな語り手を
メリーさんが助けてくれた話。
後ろを振り向いたら
泣いていたメリーさん。
一体何があったのだろうか…？
メリーさんは
結構ネタにされることが多いから、
もしかしたら変な人ばかりと関わったせいで
疲れ果てていたところだったのかもしれない・・・
