【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】いたずらタヌキ

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むかしむかし…

 

まだ人間以外の動物達も人語を理解し、
話す事ができた…

 

そんな時代のそんなお話…。

 


ある所にとても仲良く幸せな老夫婦がいました。

 

老夫婦は
山奥大自然の中で畑を耕し、
自給自足の生活に満足していました。

 

そんな幸せな日常も束の間…

 

朝早くにお爺さんが畑に仕事に出ると、
なんと…何者かに畑が荒らされていたのです。

 

「キョェェェェェェエ」

 

お爺さんは驚き、
腰を抜かしてしまいました。

 

それもその筈です。

 

この畑は、
お爺さんにとっては子供も同然。

 

宝物だったのです。

 

怒り狂ったお爺さんは畑に罠を張り、
畑を荒らした犯人を捕まえる事にしました。

 

翌日…

 

畑に張った罠を見にくると、
そこには一匹のタヌキが捕まっていました。

 

「このクソタヌキめ…
ワシの大切な畑を荒らしやがって…!
お前みたいな悪戯タヌキは鍋にブチ込んで食ってやるわ!」

 

『しくしく…しくしく…しくしくしく…
ごめんなさい…お腹が空いていて…
もうしませんからどうか命だけは…
しくしく…しくしくしく…』

 

お爺さんは
そんなタヌキの言葉に耳を貸さずに
タヌキを家に連れ帰りました。

 

「おーい…婆さんやー…
このタヌキがワシの畑にイタズラしおったわ!
今日はこいつでタヌキ汁をこさえてくれんか」

 

お爺さんがそう言うと、

 

「はいはい…
それじゃあ、うんと美味しいタヌキ汁をこさえましょう」

 

とお婆さんが言いました。

 

するとお爺さんは、
タヌキの足にロープを結び、
天井に吊り下げてまた仕事に出ました。

 

お婆さんが晩ご飯の支度をしていると…

 

『しくしく…しくしく…しくしくしく…
オラには女房と子供たちが…
畑を荒らしたのは悪いと思ってます…
でも、家族を養わなけりゃいけなかったんだ…
しくしく…オラが死んだら誰が家族を養っていくんだ…
しくしく…しくしくしく…』

 

タヌキが命乞いをすると、
お婆さんは何も言わずに包丁を片手に持って
タヌキに近づきました。

 

そして…

 

「悪いねぇ…」

 

(ザシュッ)

 


それから少し時間が経ち、
お爺さんが帰ってきました。


「おーい…婆さんやー…ワシは腹ペコじゃぁ…
早くタヌキ汁を食わせておくれー…」

 

「はいはい…もう支度は出来ておりますよ」

 

お婆さんがそう言うと、
お爺さんは早速タヌキ汁を食べ始めました。

 

「うまい…うますぎる…
こんなうまいタヌキ汁を食べたのは始めてじゃぁ…」

 

お爺さんは箸を止める事は無く、
1人で鍋を空っぽにしてしまい、
その様子を見たお婆さんは
ものすごく嬉しそうに笑っていました。

 

「して婆さんや…
今日のタヌキ汁は最高にうまかった…
この最高にうまいタヌキ汁の隠し味を
こっそりワシに教えてくれんかね…」

 

「はいはい…それはですね…」

 


こうして、
お爺さんとお婆さんは幸せな一夜を過ごしましたとさ…
めでたしめでたし…


(どろん)

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お婆さんは包丁でタヌキのロープを切って

タヌキを逃がそうとしたが、

タヌキはお婆さんを殺して

お婆さんに化けた。

 

つまり、お爺さんが食べたのは

タヌキ汁ではなく、

お婆さん汁だった。

 

『幸せな一夜』と書かれているから

もしかしたらこの後

お爺さんも殺されてしまうのかもしれない。

 

 

これはカチカチ山のタヌキなのだろう。

 

うさぎに成敗されずに済んだ話なのかもしれない。