【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】妹

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「あら、髪ばっさり切ってきたのねぇ!
いいじゃない?似合ってるわよ♪」

 

夏子は、
胸下まであった髪の毛を美容院でばっさり切って帰り、
それを母に得意気に見せた。

 

「イメチェンイメチェン♪」

 

そう言いながら夏子は、
2階の自分の部屋に上がっていった。

 

夏子の机の上には、
1年前に事故で亡くした妹の夏美の遺影が置いてある。

 

夏美は、
いつも夏子におんぶをしてもらい、
甘えていた。

 

黒く艶のある長い髪に、
色白の綺麗な肌、綺麗な目。

 

夏子は、いつどんな時も夏美を可愛がっていた。

 

「またあの時みたいに、甘えてよ…」

 

夏子は少し震えた声で呟いた。

 

すると、遺影の夏美が、
少し微笑んだような気がした。

 

「夏子~!ご飯よー」

 

下から母の声がした。

 

夏子は急いで下におり、
食事をしながら遺影の事を母に話した。

 

「きっと夏美が夏子に応えたのねぇ~♪
夏美は本当…いい子だったっ…」

 

母は涙混じりに言葉が詰まった。

 

「お風呂湧いてあるから、入っておいで」

 

涙を拭って母が言った。

 

夏子は、食器を片付け、お風呂に入った。

 

浸かりながら、
夏美が好きだった歌を口ずさんだ。

 

夏子は髪を洗った。

 

洗面器まで垂れる黒髪を、ゴシゴシ洗う。

 

『こんな長い髪だと、シャンプーもそりゃあ減るの早くなるよ~。

ん?にしても今日は艶があるなぁ』

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語り手は美容院で髪の毛をばっさりと切ったはずなのに、

『洗面器まで垂れる黒髪を、ゴシゴシ洗う』

と髪が伸びている。

 

 

妹の夏美が甘えた結果なのかもしれないが、

見た目だけ夏美になったというのは一体…?

 

艶のある髪を綺麗にしてほしかった、

という甘えなのだろうか?

 

これからずっと夏美のままというのも恐ろしいが、

これにより、あとあと身体戻ったことによって

結局夏子の身体ははお風呂に入らない状態と同じだった、

というのもまた恐ろしい。