店員「大変長らくお待たせいたしました。こちらがステーキになります」
ぼく「えっ」
店員「ご注文の方はステーキで宜しかったでしょうか?」
ぼく「はい」
店員「でしたら、こちらがステーキになります」
ぼく「まだ生きているって事ですか?」
店員「何がですか?」
ぼく「ステーキが」
店員「ああ。その位、新鮮ではあります」
ぼく「いつステーキになりますか?」
店員「えっ」
ぼく「えっ」
店員「ああ。きちんと火は通してありますので、ご安心ください」
ぼく「でも、まだなってないんですよね?」
店員「何がですか?」
ぼく「ステーキに」
店員「いえ、こちらがステーキになりますので、安心してお召し上がり頂ければ」
ぼく「暴れたりしませんか?」
店員「えっ」
ぼく「牛ですよね?」
店員「ええと、どういった牛であったかは当店のほうでは把握しかねますが」
ぼく「えっ」
店員「えっ」
ぼく「ああ謎の牛だから生きてるんだ。凄い」
店員「えっ」
ぼく「謎の牛の踊り食いと言う事ですよね?」
店員「いえ。こちらはステーキになります」
ぼく「えっ」
店員「えっ」
【解説】
『ステーキになります』と店員が言っていることに対して、
語り手は「まだ出来上がってない(まだステーキになってない)」と
勘違いしている。
だから、
「いつステーキになるのか(ステーキに変化するのか)」
を聞いている。
でも、ステーキはすでに出来上がっているので、
店員と会話が噛み合わない。
飲食店で使われる間違った敬語を逆に揶揄したお話。
実際こういうお客さんがいたら恐ろしいなぁ…。