ある屋敷で殺人事件が起きた。
容疑者は三人。
茶色の服の女と
派手な赤を着た男、
それにこい青の服を着た男だ。
皆細めで同じような髪型の人だ。
ある目撃者から話を聞いてみようと思う。
三人とも細めで背が高いから私は話しかけるのに苦労したよ。
猫と違って飛び上がれないからね。
どうも。私が目撃者のナツです。
男達は優しかったわ。
私の黒い頭を男達は撫でてくれた。
気持ちよくてつい私は声を出しちゃったりしたの。
尻尾をふったら花瓶に当たって割っちゃったの…。
女は私のことが嫌いらしくて、
私を見ると悲鳴をあげて逃げていくの。
毎回その後は泣いたような目をしていたわ。
泣くほど嫌いなのかしら。失礼しちゃう。
私は誰かが被害者の部屋にこっそりと入っていくところを見た。
あれは絶対に犯人。
よくわからない色の服を着た人の後ろ姿をはっきりと見たわ。
見たのはこれだけだけど、誰だかわかる?
怖いから早く捕まえてね。
【解説】
目撃者のナツは犬。
『よくわからない色の服を着た人』
とあるが、犬は赤色をうまく識別できないため、
犯人は派手な赤を着た男ということになる。
でも、犬語がわかるわけでもないし、
これでどうやって事件解決するのだろうか?
そこが気になってしまう…。