【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】仲良し一家

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とある田舎町にその少年、
トムは暮らしていた。

 

トムは両親と妹のカレンの4人家族で、
近所でも評判の仲良し一家であった。

 

近所の人は言う。

 

「トムはご主人の連れ子なんでしょ?
血の繋がらない妹の面倒をちゃんと見てて偉いわ」

 

また別の人は言う。

 

「それを言うなら奥さんのエミリーだって!」

 

「前にトムを棒で叩いてるのを見かけた事があって、
その時はすごく驚いたけど、
後で聞いたら愛のムチだって。
血の繋がらない子供に、
普通なかなかあそこまでできるもんじゃないわ」

 


ある日学校から帰ったトムは妹のカレンを連れて、
キッチンにいる母親の所に行ってこう言った。

 

「今日カレンが学校で遊んでいたら、
転んで足をケガしちゃったらしいんだ」

 

すると、背を向けていた母親が勢いよく振り向いた。

 

「カレン!!大丈夫なの?!
可哀相に。
どこを怪我したんだい?」

 

カレンは大丈夫と言いながら母親に傷口を見せた。

 

「お母さん、全然大丈夫よ!
それより、サラと遊ぶ約束をしたから行ってきていい?」

 

「そうかい。いいよ、気をつけて遊ぶんだよ」

 

「はぁい♪」

 

そう言ってカレンは、
キッチンを飛び出して行った。

 

すると、それを見送った母親は物凄い形相でトムを睨みつけた。

 

「あれほどカレンの面倒をちゃんと見ろと言っているのに!!」

 

「ごめんなさい、お母さん。
でも今日はボクは一緒に遊んでなくって…」

 

「言い訳をするのかい?!
カレンは女の子なのにあんなに大きな擦り傷ができて!
オマエにも痛みをわからせてあげるよ!!」

 

そう言うやいなや、
母親はトムを引きづるように裏の納屋に連れて行った。

 


夕方、仕事から帰った父親と妹のカレンは
トランプをしながら夕食ができるのを待っていた。

 

「それにしてもトムは遅いな、
まだ遊んでるのか」

 

母親が答える。

 

「そうなんですよ、
帰ってきたら言ってやってくださいね」

 

「あぁ、そうだな。
いくら男の子とはいえちょっと遅すぎる」

 

するとカレンが、

 

「お母さん、今日のゴハンはなぁに?」

 

と聞いた。

 

「今日は特製シチューよ。
たくさん作ったからいっぱいたべておくれ」

 

それを聞いた父親とカレンは嬉しそうに微笑んだ。

 

「私、お母さんのシチュー大好き!」

 


食事が終わり、
父親がお腹をさすりながら言った。

 

「今日のシチューは格別だったな!
肉の骨までしゃぶってしまったよ!」

 

すぐにカレンも、

 

「私も!すっごくおいしかった!
私、骨をお庭に埋めてくるね!」

 

それを聞いた母親は、


「それはよかった。
ナベ一杯あったのに空っぽになったよ」

 

と嬉しそうにこたえた。

 


「それにしても、トムは遅すぎないか?」

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トムはシチューのお肉にされてしまった。

 

『オマエにも痛みをわからせてあげるよ!!』

痛みをわからせるどころの話ではない…。

 

 

それにしても、

トムを棒で叩いていることが愛のムチなんて言葉で納得されるなんて

外面はものすごく良いんだろうなぁ…。

 

それが恐ろしい…。