【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】タクシー

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随分と遅くなったなぁ…。

 

残業が終わってからの遅すぎる夕飯を済ませた為、
もう、日付が変わっていた。

 

真夜中の暗い道を、チカチカと照らす光に顔を上げた。

 

タクシー?こんな時間に?

 

ああ、ここの主人も仕事で遅くなったのか。
と思ったところで、
その主人が玄関から出てきてタクシーへと乗り込んだ。

 

主人を乗せたタクシーはすぐに出発した。

 

すれ違い様、タクシーの違和感に気付き、
二度見しながらタクシーを目で追った。

 

暗い道を遠ざかっていくタクシーのランプで、
背中に冷たい汗が流れた。

 

翌日、その家はちょっとした騒ぎになっており、
数日後には黒い人だかりができていた。

 

「やっぱり…」

 

鯨幕を見ながら、無意識につぶやいていた。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本のタクシーには

「個人タクシー」というものがあるが、

今回の場合は

「故人タクシー」であった。

 

そのため、

『主人を乗せたタクシーはすぐに出発した』

 

タクシーが行き先を聞かず出発したのは、

「故人タクシー」だったために

行き先が決まっていたから。

 

なので、

『翌日、その家はちょっとした騒ぎになって』

というのは、

ご主人が急に亡くなってしまったことによる混乱。

 

『数日後には黒い人だかりができていた』

『鯨幕』

というのは、

「お葬式」を示している。

 

語り手は

「故人タクシー」に乗り込んだご主人を見ていたため、

お葬式をやっていたことに

『やっぱり…』とつぶやいた