なんでも思い通りになる薬を発明した。
酸素に触れると気化するため、
気化しないような空間を作らなくてはならない。
今日は被験者に注射してみることになったが、
被験者につけてある酸素ボンベが邪魔な上汚れていた。
まったく。。。家に帰ったら洗濯しなくてはいけなくなってしまった。
結果。。。どうやら服用した本人が永遠に眠り続けるだけの薬のようだ。
これではなんの役にもたたない。
もっと薄めて気化しないようにすれば実用できるだろう。
私は無事成果を収めた。
この薬は今までにない発明だ。
大金を手に入れ、私は今、幸せに暮らしている。
【解説】
最初の
『なんでも思い通りになる薬を発明した』
からは博士視点。
『私は無事成果を収めた』
からは被験者視点。
被験者が
「なんでも思い通りになる」ようになったため、
博士は実験は失敗だと思わされた。
失敗だと思わせた理由は
なんでも思い通りにできるのは
自分だけで良いと思ったためか?
それにしても博士は
『どうやら服用した本人が永遠に眠り続けるだけの薬のようだ。
これではなんの役にもたたない』
被験者が永遠に眠り続けるための薬を作ったと思い込まされているのに
随分落ち着いているなぁ…
失敗はつきものと思っているのだろうけど、
さすがに「永遠に眠り続ける」のは問題だろうに…。