男A「君には俺の全部を知って欲しいんだ。
まず、この写メ。これが最初に付き合った彼女だ。
綺麗な顔してるだろ?」
B子「ホントね。確かに美人ね。A君、モテたのね。」
男A「そして、この写メが2番目の彼女。
ちょっと天然だったけど、可愛くって最高だった。
綺麗な顔してるだろ?」
B子「うん、この人も美人ね。凄いわね。
A君がそんなにモテてたなんて、なんか謎だわ。」
男A「おい~、謎って何だよ、失礼な(笑)。
でも、世の中に解けない謎は無い。俺が解いてみせる。
じっちゃんの…てね。」
B子「じっちゃんの?…、まぁ、いいわ。」
男A「で、その2番目の彼女なんだけど、ちょっと束縛が酷くってね。
お前のものは俺のもの…みたいなのがあってさ。」
B子「なるほどね。それが原因で別れちゃったのね。」
男A「でも、後で分かったんだよ。
奴はとんでもないものを盗んでいきました。
あなたの…って感じでさ。」
B子「…あのさぁ、A君ね。
さっきからずっと気になってたんだけど、
なんか、A君、最後まで言わないよね。
さっきの『じっちゃんの』っていうのは、
『じっちゃんの名にかけて!』ってことでしょ?
『お前のものは俺のもの』の続きは、
『俺のものも俺のもの』だっけ?
今のも、『あなたの心です』まで言ってよ。
なんか、モヤモヤしちゃうのよね。」
男A「ごめんごめん。前にも注意されたことある。
癖なんだよね。まぁ、そう怒るなよ。
それよりさ、この写メ見てくれよ。
これが、最近まで付き合ってた彼女。
この子が今までの中で最高の女だったんだ。
清楚で可憐で気品があって…。
ねっ、よく見てよ。綺麗な顔してるだろ?」
【解説】
男Aは最後まで言わない癖がある。
そして使っているものが基本的に名言が多い。
となると、
『綺麗な顔してるだろ?』
の意味しているところは
あだち充の漫画『タッチ』に出てくる名言と思われる。
つまり、
「きれいな顔してるだろ。 ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。それで…」
という名言。
男Aは写真に映っている彼女たちを殺して
写メに残した。
そして、これからB子も殺すつもりである。
写メの彼女たちが本当に男Aの彼女だったのかはわからないが、
正直一方的な好意だったのではないかと思う。
男Aの話し方についてB子は
『なんか、モヤモヤしちゃうのよね』
と指摘している。
正直私も読んでいて「う~ん…」という感じだった。
B子も
『A君がそんなにモテてたなんて、なんか謎だわ』
と言っているくらいだし、
こういう人がモテているとかちょっと想像し難い。
なので、
一方的に好意を持って殺したという
ストーカー的な存在だったと思われる。
…実際は本当にモテていたのかもしれないが、
正直モテていて欲しくないなぁ…