気が付いたときには私は見知らぬ島に流れ着いていた。
よく見ると遠くで鳥のようなものが何かをつついている。
それは腐りきった人間の死体・・・・。うぇぇぇぇぇえ!
ここから早く逃げなければ!
しかしおかしい。
同じところを何度も歩いている気がする。
不意にガサッと音がした。
其処には小さな女の子がいた。
「かわいそうに・・君もここに」
「かわいそうなのはお兄さんだよ」
「!?」
「あの鳥の群れの食べてるものを見てもまだわからないの?」
【解説】
鳥のようなものがつついている
腐りきった人間の死体は語り手である。
つまり、語り手はすでに死んでいる。
小さな女の子は
『かわいそうなのはお兄さんだよ』
と言っていることから、
死んだ者ではなく、
死んだ人を連れてくる道案内人的な役割なのだろうか?