昔一人の少女が傷ついた人魚を磯で見つけた。
どうやって助けて良いのか困っていると
「海に戻してくれるだけで良いんです」
と人魚が言ったのでそのとおりにすると
人魚は元気を取り戻しお礼に真珠をくれた。
それを影から見ていた陣根という男が
少女がいなくなった後何と人魚を殺して
肉をとり自分と娘の万理と食べてしまった。
人魚は不老不死の効力があるといわれ、
陣根はそれを狙ったのだ、
しかも娘の万理は結核だった。
七十年後、あの少女は真珠を元手に
裕福な暮らしを孫たちにも与えてやれるほど幸福になったが、
陣根と万理は一生苦しむことになった。
【解説】
人魚の肉を食べると不老不死になるが、
現在の病気が治るわけではない。
そのため、万理は結核を患ったまま一生を苦しむことになった。
陣根が苦しんでいるのはそんな娘を見ているのが辛いから…か?
もしくは、一生生きる続けるために働き続けなければいけない、
ということもあるのかもしれない。