僕の住んでいる所で最近連続殺人事件が勃発している。
犯人が道具を変えて殺人を行っているらしく警察も特定が出来ないらしい。
そんな中僕の近所で双子の姉妹が引っ越してきた。
二人はそれぞれ黒と紫の服を着ている。無邪気で近所の人には評判らしいが
なんか変わった臭いがする・・・。誰も気が付かないけれど。
母「あ、叔父さん来ているわよ」
叔父「今日は非番なんだ、どこかに行くか?」
僕「ううん、ねぇ叔父さん鑑識なんでしょ?あの薬くれない?」
叔父「馬鹿!あげられるわけないだろ、なんでそんなのを欲しがるんだよ?」
僕「地味な服を着ている二人がいてさ・・青くしてやろうと思って」
叔父「?」
あいつら自分の服が青くなったらどんな表情するんだろうな・・。
【解説】
『叔父さん鑑識なんでしょ?あの薬くれない?』
『自分の服が青く』
これは鑑識の人も使い、青くするものとなると
おそらくルミノール液。
ルミノール液をかけ、暗いところで紫外線を当てると、
血痕であれば青く光る。
双子の姉妹に対して
『変わった臭いがする』と感じ、
ルミノール液をもらおうとしたのだから、
血の匂いであると判断したのだろう。
実際にルミノール液をかけて服が青くなったとしても、
それだけで犯人とは言い難いとは思うが、
事件が良い方向に進むかもしれない。
しかし…この語り手は
『あいつら自分の服が青くなったらどんな表情するんだろうな・・』
と、犯人を捕まえたい、などではなく、
苦痛の表情なりなんなり、
相手の表情を楽しもうとしている。
この語り手の行く末が恐ろしい…。