ある中学校に仲良し五人組の女生徒がいた。
五人は休み時間も、お昼休みも、帰宅後もいつも一緒に遊んでいた。
皆で友情を誓い合ったりもした。
しかし、いつもリーダーシップを取っている生徒が、
自己中だとか自分勝手だと
他の四人に陰口を叩かれるようになった。
しだいにそれはエスカレートしていき、
彼女を自殺に追い込んだ。
四人もそんなことになるとは思っておらず、
動揺しだした。
暗い気持ちになったのか一人の生徒が、
今度の休みに四人でどこか静かな所でも
行こうよ、と言い出した。
誰も反対はしなかった。
四人は山に出かけた。
周囲には人が全くいない、
壮大な景色だけが広がっていた。
四人は来る途中のコンビニで買ったインスタントカメラで、
写真を思い出として残した。
数日後、一人の生徒が現像した写真を持ってやってきた。
よく取れている写真に四人はわきあいあいと盛り上がっていた。
一人の生徒が「この写真よく撮れてるね」と一枚の写真を手に取った。
そこには山の景色をバックに四人が楽しそうに笑っている写真があった。
【解説】
「山の景色をバックに四人が楽しそうに笑っている写真」なんてものは撮れるはずがない。
なぜならば、インスタントカメラであるためタイマー機能はない。
さらに、周囲には人が全くいない。
この状況で、4人で映る写真なんてどうやって撮るのだろう?