夏休みって事で彼と遊園地のお化け屋敷に入った。
とにかく私は怖がりで、
中が真っ暗なだけでもうガクブル。
彼の腕を肘ごと抱え込んで、
目もつぶって俯きながら歩いた。
彼に胸が肘に当たって気持ちいい、とか言われたけど、
恐くて怒る気にもなれなかった。
彼は
「こんなん作りもんじゃん」
って言うんだけど、
私はもうキャーキャー叫びまくり。
目をつぶってて何も見えないから
彼がたまに
「うわっ」
とか言うだけでビクビクしてしまった。
最後の方なんて
「もう少しだから頑張れ」
なんて彼に背中をさすられながら半泣きで、
何とか出口まで歩いた。
外に出て彼の腕を放すと、
くっきりと私の手形が付いてて、
どんだけだよ自分、
とあまりのへたれっぷりに笑ってしまった。
【解説】
彼は彼女に腕を抱え込まれた状態で
どうやって彼女の背中をさすったのか?
あと腕を抱え込むようにしていたのであれば、
腕に手形がつくことはないのではないだろうか?
この二人はお化け屋敷に入ったことで、
本当のお化けと遭遇してしまったのかもしれない。