僕は、とあるボロイアパートに、
父親と一緒に住んでいる。
生活費どころか一食食べるお金すらない。
今まで僕が生きてこられたのは
亡くなった母が残した形見を
質屋に入れていたからだ。
しかし
もう質屋に入れる形見もない…
これからのこと考えながら散歩していると
【何でも質屋】とかかれた建物を見つけた。
僕「確かここ空き地だったはず…」
不思議に思いながらも入ってみることのした。
内装は、昔ながらの駄菓子屋…
奥に全身赤色のスーツを着たおじさんが立っていた。
お「イラシャイ、ナンデモ マネーナルヨ」
僕「えっ！！あ…はい…
本当に何でもお金に変えられるの？？」
お「ホントホントナンデモナルヨ」
僕は冗談半分にポケットに入っていた
母と父の結婚写真を、渡した。
お「オッ!!コレイイネ!!1000マン コウカン!!」
ただの写真が1000万になるなんて絶対冗談。
本当に馬鹿げてると思ったのに
何故か僕はお願いしてしまった。
お「コウショウセイリツ!!
キョウオカネトドケルヨ!?」
僕「うん」
気の抜けるような返事をし店を出た。
それからどれだけ時間が過ぎただろう。
変な店でおきた出来事すら忘れているほどプラプラ歩いていた…。
暗くなってきたので家に帰った。
ガチャ
玄関にスーツケースが置いてある…
中には札束……
父がいない………。
…まっ…まさ…か……
【解説】
父親を1000万で売ってしまった。
写真を見ただけで人身売買とは思わないが、
やはり写真だけで1000万と言われたら怪しさしか無い。
とはいえ、切羽詰まっている時は
そういう思考回路が働かないだろうな、
とも思ってしまう。
果たして語り手はこの後どうするのだろうか…？
