私の彼氏は極端に面倒くさがりだ。
例えば窓閉めてって言う時、
「窓閉(まどし)」
明日、どこか出かけないって言う時、
「明日、どこか出かけ?」
と言うように最後の二文字をやたら省略するのだ。
だから私は散々、言っていた。
最後の二文字位付けろ、と…
今日は私の誕生日、
彼が私の家で料理を作って待ってるはずだ。
メールを確認すると、
「仕事お疲れ様
ご馳走作って待ってるよ」
流石にこの日ばかりはまともに打ってきたかと関心していたら
「早く帰っておいで」
「料理冷めちゃうよ」
「今どの辺?」
いやにしつこいな、
私は不気味に思いながらもアパートに着くと
もう一通来てた
「扉開け11」
私はアパートを走り去った。
【解説】
扉開け → 扉開けるな
11 → 110番
部屋にいるのは彼氏ではなく、
別の人物。
その人が彼氏の携帯からメールを送っていた。
彼氏はすでに殺されているだろう。
最後のメールは殺された彼氏が
幽霊となってからのメッセージ。
語り手はそのことを悟り
アパートから走り去った。
まぁ、この話で一番怖いのは、
最後の二文字をやたら省略する彼氏だけどね…