私には6歳年の離れた弟がいるのだが
気が弱くて喧嘩に負けて直ぐに泣いて帰ってくる。
国を守るために神の御子と共に戦って
英雄にまでなった男爵様を見習いなさいよ!
まったく・・・負けたとはいえ男爵様は精一杯戦ったのよ。
でも神の巫女は・・・・。
そんな中男爵の命令で男の子を募っているという。
きっと男爵様じきじきに鍛えて
立派な軍人にしてまた敵国と戦うのね。
「僕行きたくないよ・・・・・。」
「あんた男でしょ!自分の国も守れないでどうするの!?」
家族に後押しされ弟は友だちと城に連れて行かれた。
がんばるのよ!きっと男爵様があなたを強くしてくれる。
そして魔女扱いして火あぶりにされた神の巫女ジャンヌ・ダルクの敵を討つのよ!
期待しているからね。
ジャンヌ・ダルクには共に戦った「ジル・ド・レイ」がいた。
しかし、ジャンヌが魔女と呼ばれた後精神的に病んでしまったのか、
悪魔との契約に熱心になり、黒魔術にはまってしまった。
そして、何百人という少年を生贄にした。
ジャンヌを復活させるための黒魔術のためであった、
とも言われているようだ。
語り手は「ジル・ド・レイ」の過去の栄光から
男の子を立派な軍人とするために慕っていると勘違いして
弟を送ってしまった。
しかし、実際は生贄とされてしまうだろう。