ぼくは、学校を休んだ。
腹痛がひどいからだ。
でもうちは死ぬほど貧乏で、薬さえない。
暖かい何かを飲もうと思っても、火が使えない。
先生から電話があった。
「もしもし、早く学校へ来なさい」
「…、」
でもぼくは、腹痛がひどく、行けない。
「行けない」
そういうと
「何を言ってる、約束はどうしたんだ、俺達は今学校へいる。校庭に出てる。来い」
内容が少し、おかしいと思った。
しかも、話し方も。
学校に30秒ほどで行ける場所にあるぼくのマンション。
窓から校庭を見てみた。
次の瞬間ぼくは電話を切り、窓のカーテンを閉め、公衆電話へ走った。
【解説】
『でもうちは死ぬほど貧乏で、薬さえない。
暖かい何かを飲もうと思っても、火が使えない。』
『公衆電話へ走った。』
貧乏で火が使えない。
ということは、ガスや電気なんかも止められているはず。
にも関わらず先生から電話がかかってきている。
公衆電話へと走った理由は、
電話が止められているためだろう。
窓から校庭を見たらどんなものが見えたのかはわからない。
しかし、もしかしたら先生や生徒たちが
殺されている姿があり、公衆電話へと通報しに行ったのかもしれない。
(110番なら無料なはずだから、
死ぬほど貧乏でも公衆電話ならかけられる)