ここは獣医を目指す人々が学び舎とする某獣医大学、
ここに変わり者の学生がおり
腕がいいので「獣医学生の中のBJ」と呼ばれている
(といっても単に学生なので免許が無いだけ)
そんな彼がある日
いわく付きの池からでかいヒキガエルを抱えてきた
良く見ると腹に腫瘍らしき
できものらしきこぶができている。
「先輩、冗談じゃありませんよ!
祟られたらどうするんですか?」
「事は一刻を争うんだ黙ってないでとっとと手伝え!」
このカエル、
池の主で危害及ぼしたら恐ろしい事態になると言われていた。
しかし、後輩と一緒にカエルの胃がんの除去に無事成功した・・・。
カエルは、
水槽の中で大人しくしていたが
ある日消えてしまった。
「どうしよう!」
後輩は泣きそうになっていたが
ある日彼のいる部屋から声が聞こえてきた。
「先生、本当に父を助けていただいて・・・」
「おい!」
「父さんは黙ってて!」
後輩がドア越しにのぞくと
綺麗な女性と着流しを着たいかにも893な男がいた。
「本当に先生に助けていただかなければ父は・・・・」
女性は泣いている。
「もういいだろう」
「父さんもちゃんとお礼言いなさい!全く死んだら孫の顔も」
「もういいって!
先生よ、この傷こさえてくれたことは感謝してるよ」
「お父さん!」
「まぁ、無理さえしなければ普通の生活でも大丈夫ですが
胃も少し切除しましたので食べすぎには注意してください」
「先生ありがとうございました、お父さん行くわよ!」
二人が出て行った後、
後輩が血相変えて入ってきた。
「先輩!獣医学生なのに人間手術したんですか?」
「してないよ」
【解説】
ヒキガエルの親子は人間の姿になってお礼に来た。
『着流しを着た』
と服を着ているが、
ヒキガエルの娘が人間となって
わざわざ服を持ってきたのだろうか…?
それにしてもこの
『獣医学生の中のBJ』だけれども、
ヒキガエルの親子と出会っても全く動じていない。
手術することにしか興味が無く、
他のことには無関心だから
ヒキガエルが人間になろうとどうでも良いとか
そんな感じなのだろうか…?
それとも『いわく付きの池』とあるから、
ヒキガエルが人間になることを知っていた?
『獣医学生の中のBJ』と言われるだけあって、
謎な人である…。