花咲か爺さんはおとぎ話の人だと思ったけど本当にいました。
私がママにしかられて泣いているとき
知らないおじいさんがやってきて
「私はね『花咲か爺さんなんだよ』」
といいました。
荒地に連れて行くとこういいました。
「ここはね、私がいずれ綺麗な花を咲かせる場所なんだよ」
「本当?」
「本当だとも」
その後、おじいさんの家族の人たちがやってきて
「ありがとう」といっておじいさんを連れて行きました。
しばらくしてあの荒地に行って見ると
本当に綺麗な花畑になっていました。
おじいさんは本当に「花咲かじいさん」だったんです。
「参ったよな、すぐに徘徊するし」
「そうそう、訳がわからないこと言い出すし」
「ガキと一緒にいたときは
変なこと言うんじゃないかとヒヤヒヤしたよ」
「大丈夫よ、あんなところ誰もこないだろうし」
「ねぇ、母さん、ここにあった花の種どこにやったの?」
「あら!?無いわね、きっとおじいさんよ、食べちゃったかしたんじゃないの?」
「やだー、せっかく庭に植えようと思っていたのに」
「それよりもこれからどうごまかすかが・・・」
「大丈夫よ、徘徊癖があることは皆わかっているんだから」
【解説】
『それよりもこれからどうごまかすかが・・・』
『大丈夫よ、徘徊癖があることは皆わかっているんだから』
と言っていることから
おじいさんの家族たちは
おじいさんを殺して荒地に埋めた。
そして、おじいさんは花の種を持っていたのか、
もしくは飲み込んで胃の中にあった状態なのかはわからないが、
その花の種がおじいさんを肥料として花の種は発芽し、
花を咲かせた。
花の種が胃の中にある状態で発芽するのかわからないが・・・
『私がいずれ綺麗な花を咲かせる場所なんだよ』
と言っているので、
飲み込んだのではなく、
きっと持っていたのだろう。
女の子と思われる語り手には
こういう現実を知ってもらいたくないものである。