【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】お人形

あたしのパパはとっても優しい。

 

あたしのことだいじにしてくれる。

 

料理も上手でおいしくて
あたしにいつも

「かわいいよ、すきだよ」

って言ってくれる。

 

あたしはそれが嬉しい。

 

…だけど時々
あたしの身体を見て
パパは悲しそうにもする。

 

「やせすぎだね…」

って。

 

あたしはそれが悲しい。

 

ドアの向こうには
怖い怪物がたくさんいるから
あたしは毎日音楽をきいたり
パパのお人形をながめたりしてる。

 

パパのお仕事はお人形を作ることなの。

 

冷たいケースのなかに
きれいなお人形が
たくさん。

 

いち、に、さん、し、ご…ろっこも並んでる。

 

あたしの顔より少し大きな
きれいなお顔。

 

いろんな髪の毛。

 

パパが一番好きなお人形は
黒髪に大きな目
真っ白なお顔のお人形。

 

とりだしてうっとりした顔で

「なかじまさん、なかじまさん」

って。

 

だけどあたしが好きなお人形は
なかじまさんじゃない。

 

あたしが好きなのは
茶色い髪で細い目をしたお人形。

 

このお人形を見てると
へんなきもち。

 

パパがこのお人形と
似てるねって言ってたから
そのせいかなぁ。

 

パパがね、
なかじまさんばっかり見てるから
さっきなかじまさんを
怖い怪物のところに捨てたの。

 

窓から投げて
すぐにしめちゃった。

 

パパが好きなのは
あたしだけじゃなきゃ
嫌なの。

 

捨てたらすぐに
怖い音がいっぱいした。

 

やっぱりドアの向こうには
怪物がたくさんいるんだね。

 

もしかしたら
ちょっと
ほんのちょっとだけ
パパは怒るかもしれないけど
きっとすぐに

「かわいいよ」

って
許してくれる。

 

今日のごはんはなにかなぁ?

 

おいしいお肉だったらいいな。

 

 

【解説】

 

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【意味怖】引き返せ

『引き返せ』

 

俺がある山道を登っていると、
古臭い看板が立っていた。

 

ところどころに錆が浮いていて、
血の跡みたいでひどく不気味な看板だった。

 

『引き返せ』

 

看板にはそう書いてあった。

 

ドロドロとした、
怨念じみたものを感じ、
背筋がぞくっとした。

 

大人しく従ったほうがいい。

 

俺は直感した。

 

それで、
怖くなって看板の指示通りに引き返したんだ。

 

すると、
さっきはなかったはずの看板が立ち塞がった。

 

『引き返せ!』

 

また書いてある。

 

さっきよりも強い口調だ。

 

引き返せって行ったから引き返したのに。

 

俺は今来た道をもう一度引き返す。

 

さっきの看板が、
今度は違う文字に変わっていた。

 

『引き返せと言っているだろう!』

 

俺は指示に従っているのに、
この看板はなんなんだ!?

 

心なしか、
さっきよりも錆が侵食しているような気がする。

 

俺は恐ろしくて、
その看板に逆らうことが出来ずにまた引き返す。

 

『この先に進むな!』

 

『殺されるぞ!』

 

『大人しく言うことを聞け!』

 

『奴に殺されたいのか!?引き返せ!!』

 

俺はひたすら指示に従って、
同じ場所をうろつく。

 

看板の文字は毎回変わっていて、
明らかに異常な現象。

 

錆もどんどん侵食していって、
看板が徐々に赤褐色に染まっていく。

 

『閉じろ!もしくは引き返せ!この先を見るな!』

 

閉じろ?

 

何のことだろうか?

 

俺の荷物に閉じられるような物はない。

 

この先を見るな、と言われても、
看板の文字はそこで終わっている。

 

仕方がないので引き返す。

 

これがおそらく最後の看板だろう。

 

看板はもう錆に覆い尽くされていて、
真っ赤に染まっていた。

 

そこに書かれていた文字は、

 

『馬鹿な奴。
あれほど何度も忠告したのに。
お前だよ、画面の前のお前』

 

 

【解説】

 

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