僕が夕方学校から帰ると、
家に知らない男がいた。
はやく気付くべきだった、
後悔の念が頭をよぎる。
嫌な予感は朝からあった。
いつもなら、
いつまでも寝ている僕を叩き起こすアイツが無駄に優しかったし、
弁当の中身が豪華だった。
“行ってらっしゃい”の声もうわずっていた。
沈黙し、立ったままの僕を見かねて、
その男(といっても見かけは中年、おじさんの方が正しいか)は、
アイツを一瞥し、頷くと立ち上がった。
またか…もういい、
言うことはわかってる。
聞きなれた、
そして、聞きたくも無いあの言葉を聞く。
「ジョーイくん、今日から僕が新しいパパだ。よろしくね」
差し出された男の右手を見つめながら、僕は思った。
これでいったい何人目のパパだろう…
いいかげんにして欲しい!
僕にパパは要らない!!
必要なのはママだ!!!
【解説】
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