【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】家に知らない男がいた

僕が夕方学校から帰ると、
家に知らない男がいた。

 

はやく気付くべきだった、
後悔の念が頭をよぎる。

 

嫌な予感は朝からあった。

 

いつもなら、
いつまでも寝ている僕を叩き起こすアイツが無駄に優しかったし、
弁当の中身が豪華だった。

 

“行ってらっしゃい”の声もうわずっていた。

 

沈黙し、立ったままの僕を見かねて、
その男(といっても見かけは中年、おじさんの方が正しいか)は、
アイツを一瞥し、頷くと立ち上がった。

 

またか…もういい、
言うことはわかってる。

 

聞きなれた、
そして、聞きたくも無いあの言葉を聞く。

 

「ジョーイくん、今日から僕が新しいパパだ。よろしくね」

 

差し出された男の右手を見つめながら、僕は思った。

 

これでいったい何人目のパパだろう…

 

いいかげんにして欲しい!

 

僕にパパは要らない!!

 

必要なのはママだ!!!

 

 

【解説】

 

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【意味怖】地に落ちた小説家

今の自分を表現するなら、地に落ちた小説家、だろうか。

 

要するにクズだ。

 

当たったのはデビュー作だけで、それ以降が続かない。

 

作家としての力はとっくに枯れ果てていた。

 

もちろん筆だけで食っていけるはずもなく、
今では妻にも働いてもらう始末。

 

なんて情けない。

 

僕はいつまでこんな生活続けるんだ。

 

「あなた、棚の奥から高そうなワインが出てきたの。
仕事中だけど、ちょっとどうかしら」

 

「ごめん今は少し集中したいんだ。
それに君にだって先にやることがあるだろう?」

 

僕は背中を向け、止まっていた手を動かし始めた。

 

罪悪感から、まともに妻の顔を見ることが出来ない。

 

「なによ、ちょっとぐらいいいじゃない。
あとで欲しくなってもあげませんからね」

 

去っていく妻の足音を聞いていると急に涙がこぼれそうになった。

 

僕は最低な男だ。

 

こんな惨めな人生に、あろうことか彼女まで巻き込んで……。

 

けど彼女は決して僕を責めなかった。

 

それどころか、こういう生活も慣れたら楽しいものだ、と笑って見せた。

 

もうあんな悲しい台詞言わせやしない。

 

今度こそ一発でかいのを当てて、新しい人生を始めるんだ!

 

数分後、再び妻が顔を覗かせた。

 

「めぼしい物はだいたい集めたけど、そっちはどう?」

 

「あぁ、ちょうど片付いたところだよ。
今回は当たりだといいけど」

 

カチャリ、と僕は金庫を開けた。

 

 

【解説】

 

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