【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】地球の当選

ある日突然人々の脳内に
直接何者かの声が語り掛けてきた。

 

「おめでとうございます、
第1655回宝くじに地球が当選しました。
よって地球の方々へのプレゼントとして1つだけ願いをかなえてあげましょう。
10日後の10時ちょうどにその願いを頭の中で念じてください。
最も多かった願いをかなえようと思います」

 

人々は集まり、
願い事をなににするか議論した。

 

ある者は

 

「この世界から戦争を無くそう」

 

と言い、ある者は

 

「いや、病気を根絶すべきだ」

 

と言った。

 

議論は白熱しあっという間に運命の日となった。

 

皆がわくわくどきどきしながら
願い事が何になったのかを待ちわびた。

 

すると脳内に再び声がした。

 

「圧倒的多数で願い事は決まりました」

 

人々は驚いた。

 

「なんだろう、やっぱり平和かな」

 

すると脳内の声はこう言った。

 

「多数の意見により人類の滅亡です」

 

 

【解説】

 

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【意味怖】異変

「やっべぇ~…」

 

非力そうな言葉を漏らしながら
急いでバイクに跨がる俺は
社会人の仲間入りをしてまだ3年目。

 

仕事には慣れてきたが
相変わらず朝に弱い。

 

寝坊をしてしまった今日は
よりにもよって大事な会議の日。

 

焦りと苛立ちから
いつもよりアクセルを
ふかし気味になってしまう。

 

会社に着いた時の言い訳を
ぶつぶつ考えながら
赤に変わりかけの黄色信号を
くぐろうとしたその瞬間

 

横断歩道へ歩き出そうとした
女の人とぶつかりかけた。

 

…が、

 

咄嗟に避けたつもりでも
ハンドルを引っ掛けてしまい
俺はその女の人を
派手に転倒させてしまった。

 

だが、時間が時間なので
ブレーキはかけもせず
ミラーに写った
うずくまったままの彼女を
横目で見ながら

 

『すみませーん!』

 

とだけ叫び
急いでバイクを走らせた。

 


会社では度重なる遅刻をこっぴどく絞られ
めげそうになりながらも
今日のノルマを仕上げた。

 

「はぁ…」

 

ガチャッ

 

溜息混じりに帰宅。

 

部屋は散らかっている。

 

「あれ…
 今朝は慌てていたから
 散らかした事も
 気付かなかったんだっけか」


 
そう思い入浴し、
明日に備えて就寝した。

 


翌日。

 

今朝はちゃんと起きられた。

 

さぁ、今日も
ルーチンワークの始まりだ。

 

部屋の整頓・身支度を済ませ
いざ、出発。

 


会社ではいつもと変わらず
自分のノルマだけを片し
全てが終わり次第帰路につく。

 

ガチャッ

 

「ただいま」

 


……

 


片付けたはずの部屋が
何となく散らかっている…?

 


「ハハ…気のせいだよな…。」

 

無くなっている物は無かったし
大した事も無いと思ったので
その日は入浴し、就寝した。

 


…しかしそれは
俺の気のせいではなかった。

 

翌日も、
翌々日も、
翌々々日も、
そのまた翌日も…

 

家に帰るとなぜか部屋が
散らかっていたり
物の配置が変わっているのだ。

 

流石に怖くなって
警察に相談しようと思ったが
時間も気力も無いので
自分自身で原因を突き止めようと決心した。

 

俺は最も簡単な方法として
カメラを設置することにした。

 

翌日。

 

テレビ台の上に
カモフラージュを施した
カメラを設置し
台の正面にあるベッドとクローゼットが
主に映るようレンズを向けた。

 

そして
録画ボタンを押し、
俺は出勤した。

 


帰宅すると
またもや部屋は散らかっていた。

 

すぐさま
録画停止ボタンを押し
テープを再生した。

 

……………

 

最初には
今朝俺が録画ボタンを押し
出勤していくのが
しっかりと映っていた。

 

「ぉ、ちゃんと撮れてるな」

 

早送りで見る。

 

ビデオの時計で正午が過ぎた。

 

誰も現れない。

 

5時が過ぎた。

 

誰も現れない。

 

「じゃあ夜…?」

 

通常速度再生に戻す。

 

6時。

 

誰も現れない。

 

7時。

 

誰も現れない。

 

「……?」

 

首を傾げたその時

 


ガチャガチャガチャガチャ
ガチャガチャガチャガチャ

 

キイィ…

 


長い黒髪の女が
包丁を片手に入ってきた。

 

俺は息を飲んだ。

 


女はドアの鍵を閉めた。

 

そして
部屋中を物色し始めた。

 


8時半。

 

女は気が済んだのか、
座り込みボーっとしている。

 

すると突然
このカメラの方を向き、
ニイィ…と笑った。

 

俺は
背筋が凍り付くような
感覚を覚えた。

 


暫く女は
カメラを凝視していた。

 

……あれ?

 

この人、どこかで見たような…

 


すると女は
何かに気付いたように
立ち上がった。

 

「ぉ、帰る…のか?」

 


…違う。

 

女は部屋を見渡し
クローゼットに目を留めた。

 

そして
その中に入り
中から扉を閉めた。

 

俺は口の中のごく僅かな水分を
めいっぱい飲み込んだ。

 


…出てこない。

 


9時。

 


ガチャ…

 

俺が、部屋へ入ってきた。

 


そして
録画停止ボタンを押した。

 

 

【解説】

 

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